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記事2001年5月3日 12号 (2面)
保育士養成課程を持つ短期大学や専門学校でつくる「全国保育士養成協議会」(清水司会長=東京家政大学理事長・学長)は三月二十七日、東京・市ヶ谷のグランドヒル市ヶ谷で第四回研修会を開いた。児童福祉法の一部改正、保育所保育指針の改訂に続いて、カリキュラムの改訂が検討されるなど児童福祉制度の変革期に当たって、講演、シンポジウムなどを通して、保育士養成校の役割、在り方などを考えた。 講演では、少子化への対応を考える有識者会議座長を務める、岩男壽美子・武蔵工業大学環境情報学部教授が「少子化を考える」と題して話した。岩男氏は女性が経済力を持ったこと、ライフスタイルの多様化が未婚率の上昇と晩婚化を招いたと指摘。少子化に対応し、子どもを産み育てることに幸せが感じられる社会にするために、小・中・高校生がいろいろな形で子どもと触れ合い、育つことの豊かさを知る機会をつくることが求められていると述べた。 また、厚生労働省の高井康行・雇用均等・児童家庭局保育課長が保育行政の取り組みについて講演。待機児童の解消策として〇〜二歳の低年齢児の保育所受け入れ枠の拡大などの措置を講じていることや、昨年三月から認可保育所の設置主体制限の撤廃や最低定員を二十人に引き下げたことなど規制緩和の進ちょく状況について説明。また、現行の保育士養成課程および保育士試験は平成三年の前回改訂から九年あまりが経過、その後の児童福祉法の改正などを踏まえた見直しが必要だとして、来年四月に新たな養成課程の施行を目指していると述べた。これを受け、来年度中には学則変更が必要となる、と養成校の理解を求めた。 シンポジウムでは、小松隆二・白梅学園理事長(東北公益文科大学長)と高田研司・成徳学園(札幌社会福祉専門学校)常務理事が養成校の“近未来像”について話し合った。小松氏は(1)養成校においても経営の専門化と財政基盤の強化を図る(2)養成校の質的高度化のために卒後教育を実施(3)独立した学として「保育学」を確立し、養成校の個性化を図るの三点の取り組みが必要だと問題提起した。
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