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記事2003年2月23日 1881号 (2面) 
生活費切り詰め学業に
私大連盟・学生生活実態調査
88%の学生が不安や悩み 経済的理由が多い
  社団法人日本私立大学連盟(会長=奥島孝康・早稲田大学学事顧問)はこのほど、第十一回学生生活実態調査集計報告書をまとめた。加盟大学百二十三校中百二十二校、約一万一千人の学部学生を対象に、昨年十月、実施された。同調査では、不況やデフレの波が大学生の生活にまで及んでいる中で、「不安の時代だからこそ早い段階で将来をまじめに考え、生活を切り詰めながら学業に時間を割く」とする学生の姿が浮き彫りになった。調査は四年ごとの実施。今回の回収率は六六・五%だった。
 それによると、「学生生活は充実している」と答えた学生が六八・七%と高い比率であるにもかかわらず「不安や悩みがある」と答えた学生も八七・七%に上った。「自分の経済生活は余裕がある」と答えた学生が二五・五%という低い割合を示したことから、経済的な理由から悩みを多く持つ学生が少なくないことがわかった。
 一カ月の総支出額の概算平均は七万四千円で、アルバイト収入の概算平均額は五万三千円と、支出の大半をアルバイトでまかなう学生が多く、「常時アルバイトをしている」と答えた学生は三八・九%と三人に一人を上回る割合を示した。「常時アルバイトをしている」と答えた学生のうち三九・一%は「生活が苦しい」と答え、課外活動などに関して「参加していたがやめた」または「最初から参加していない」学生は三七・五%で、うち二四・八%はアルバイトと両立できないというのがその理由となっている。
 自宅外通学生の一カ月の家賃は概算平均で四万八千円。前回調査より七千六百円低下し、アルバイト収入は前回より概算平均で三千八百円減少した。「学費を除く親からの援助」も概算平均で五万二千八百円と前回から九千円下がった。
 一方、住まいの内訳は自宅通学生が五五・八%(前回比二・六ポイント減)、自宅外通学生が四三・四%(前回比三・四ポイント増)と、自宅外通学生の割合が増加している。
 また、前回調査にはなかった「通信費」の生活費全体に占める割合は高く、概算平均で七千円となった。「学習資料費」も概算平均は六千百円と前回の五千七百円を上回った。
 不安や悩みでもっとも高い比率を占めたのは「就職や将来の進路の悩み」で三六・七%。「何でも話せる友人がいる」と答えたのは全体の八三・六%で、七七・二%の学生は悩みを友人に相談するとしている。
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