こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2003年6月3日号二ュース >> VIEW

記事2003年6月3日 1891号 (2面) 
中高連 私立中高校の生徒数調査 生徒減少期に中学生0.7%増加
高校生の減少鈍化
中学新入生は前年度比3.5%増
  平成十五年度の私立高校の生徒数は百十一万千七百二十四人で前年度に比べて二・七%(三万三百五十七人)減少していたが、当初、予想されていた三%マイナスより減少幅が軽微にとどまったこと、中学校では前年度比の生徒数が〇・七%ながらも増加に転じたことなどが、五月二十日、日本私立中学高等学校連合会(堀越克明会長=堀越高校長)のまとめた調査結果で明らかになった。出生率の低下から就学人口は減少を続けており、また長引く不況が私立学校の生徒数減少に拍車をかけているが、今春の生徒受け入れは、厳しい時代に薄日を感じさせる結果となった。

 この調査は同連合会が毎年、来年度政府予算要求策定の基礎資料とするため四月十日時点で実施しているもの。集計結果には一部に推計値が含まれているため、今後、数値がわずかに変動する可能性がある。
 調査結果によると、私立高校の生徒数は一年生が三十七万九千九百七十四人、二年生が三十六万七千四百九十人、三年生が三十六万四千六十三人、四年生が百九十七人を数えた。そのほか中等教育学校の生徒数は八百二十二人だった。
 平成十五年度の私立高校の生徒数は、前年度と比べて二・七%の減少だったが、一年前は三・五%(四万千六十九人)のマイナスで、減少幅が小さくなっていた。
 そうした傾向は新入生(一年生)数だけをみるとさらに顕著で、十五年度の、前年度比減少率は一・八%(六千九百十二人)どまりで、一年前の減少率三・二%(一万二千六百十一人)を大きく下回った。そのため私立高校の入学生数が前年度と比べて減少した県は十四年度の四十一から十五年度には三十五へと減っていた。一方、私立中学校の平成十五年度の生徒総数は二十三万二千九百四人で、前年度と比べて〇・七%(千五百九十六人)増えていた。十五年度は新設校、再開校合わせて十九校と多かったことなどが影響したと考えられ、一年前の前年度比二・三%(千八百六人)減少と比べると大きく入学状況が好転したことになる。
 新入生だけをみると、十五年度の場合、前年度に比べて三・五%(二千六百四十九人)増えており、小学校卒業者全体が前年度比二%のマイナスであることを考えると私立中学校の生徒募集は比較的好調だったといえそうだ。学力低下の懸念などが私立中学校人気に拍車をかけたともいえる。
 前年度と比べて生徒総数が減少した県は一年前の三十三から二十一に、また入学生が減少した県は三十一から十五となっていた。

不況の中でも私学人気は根強く中学生は増加

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞