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記事2004年5月3日 1932号 (5面) 
短期大学パイオニア (6) ―― 愛知学泉短期大学
生活デザイン総合学科を開設
ユニークな履修で多彩な進路
従来の服飾、家政、国際教養科を改組転換
 愛知学泉短期大学(安藤正人学長)は明治四十五年に女子教育機関として設立後、九十二年の歩みの中で、よりよい教育の在り方を求めて不断の改革を続け、平成十二年には幼児教育科を除いて男女共学とした。そして十六年にはユニークな履修方法で多彩な進路をめざせる生活デザイン総合学科を開設した。
 この学科はこれまでの服飾科、家政科、国際教養科の三学科を改組転換してできたもので、三学科で取得できた資格・検定はすべて引き続き取得することが可能だが、そのほか新たにホームヘルパーやレクリエーション・インストラクターなど多くの資格・検定の取得も可能になった。
 履修方法は新方式の「カフェテリア履修」で、何を学ぶかの選択は学生に任されている。七つの「フィールド」と呼ぶ専門領域の下に、関連科目群を学習テーマ別にまとめた二十三の「ユニット」が置かれ、合計百四十五科目が開講されている。学生は自分の将来の夢に合わせて好きなように科目を組み合わせて選択できる。フィールドとユニットは次の通り。
 [ベーシックフィールド(必修)(以下呼称の中のフィールドは省略)](1)共通ユニット(2)教養ユニット(以下呼称の中のユニットは省略)
 [コミュニケーションスキル](3)英語コミュニケーションベーシック(4)英語コミュニケーションアドバンスド(5)日本語コミュニケーション
 [メディア・オフィス](6)情報ベーシック(7)情報アドバンスド(8)オフィスワーク(9)ビジネスワーク
 [ライフ・デザイン](10)比較文化(11)社会生活(12)家庭生活(13)図書・資料(14)図書館サービス
 [ファッション・アート](15)ファッション・ビジネス(16)ファッション・クリエイティブ(17)美術・工芸
 [ヘルス・ウェルフェア](18)トータル・ヘルス(19)福祉(20)ホームヘルパー
 [オープン(社会人対象)](21)語学(22)パソコン(23)趣味・教養。これだけの中からユニット丸ごとでもよく、その中から科目つまみ食いでもいい。また、科目選択が不安という学生でも入学時から半年かけて学生個々人に合わせた選択をアドバイスするので安心。
 将来の夢に応じて組み立てたモデルプランの例をあげると――。
 中学生のころはデザイナーになりたかったT君は今は少し方向が変わってスタイリストを目指している。男だからスーツに関する知識や服装の歴史を勉強したいし、絵を描くのが好きでTシャツを染めたりする染色の授業も楽しい。選択したのは「ファッション・ビジネス」「ファッション・クリエイティブ」「美術・工芸」「情報ベーシック」の四ユニットとシネマイングリッシュ、コミュニケーション論など。取りたい資格・検定はファッションコーディネート色彩能力検定、フォーマルスペシャリスト検定、CG検定など。
 親思いのMさんは高齢者介護の仕事に関心があった。老人ホーム見学では時間がゆっくり流れている感じで、仕事をしている人も親切だったことから、ホームヘルパーやケアマネージャーなど福祉関連で活躍したいと思うようになった。「トータル・ヘルス」「福祉」「ホームヘルパー」「比較文化」の四ユニットと生活学習概論、美術・工芸ディスプレイなどを履修することにした。また、施設職員として役立つレクリエーション・インストラクターの資格や日本語ワープロ検定も取りたいと思っている。学外での体験学習も多彩に取り入れている。アパレルメーカーやブティック、デパートなどで一週間実習するアパレル・インターンシップ、夏休み中に瀬戸の陶芸家のもとで陶器作りの工芸体験、ビジネスマナーの総仕上げはホテルのフルコース料理を味わいながら行われ、いずれも単位が認定される。学内のIT環境はワイヤレスLANの導入で飛躍的に向上、学生は喫茶ラウンジや食堂などで自分のノートパソコンを使ってインターネットに常時接続できる。

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