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記事2006年10月23日 2043号 (7面) 
広島県私学振興大会 私立中高校の教育振興など決議
私学フェスタ'06も開催
 広島県私立中学高等学校教育後援会(上田宗冏会長)と広島県私立中学高等学校協会(山中幸平会長=如水館中学高等学校長)は十月八日、広島市・広島国際会議場で広島県私立中学高等学校振興大会を開催した。会場には、私学へ子供を通わせている保護者や教職員が約千人が集まった。また、初めての試みとして「私学フェスタ2006」(主催=同協会)も同時に開催された。

 大会スローガンは「私立中学高等学校教育の振興」「教育費の公費支出公私立間格差の是正」「私学に対する国庫補助制度の堅持充実」「公教育における公私立共存原則の確立」――。
 開会に当たり、主催者として上田会長は、同県内の私立中学高校が教育の発展に寄与してきたと評価した上で、問題は教育費の公費支出公私間格差と、それにより学校選択自由の保障を阻害していることとし、「OECDの調査によれば、日本はGDP(国内総生産)に対する教育費の割合が最も低い。国民が私的に教育費を賄っている割合が多いと思われる。本県では三割もの生徒が私立高校で学んでいる」と強調した。また、「教育基本法の改正問題では、私学に対する公の性格などが明確化されている。意を強くしている。一日も早く成立させてほしい」とあいさつした。
 山中会長は、私学は公教育を担いながら、公立の四〜五倍もの教育費を負担しているとし、「これからは私学の割合を増やすべきで、公立の民営化を考えるべきだ。私学に通わせたいという気持ちを均等に保障すべきだ。これが財政負担を減少させるメリットである。国のため、県のため、私学としてどういう貢献ができるかを考えるという視点が必要だ」と提言した。
 これに対して、来賓の藤田雄山・広島県知事は、同県内の私立中学高校が教育に大きな役割を果たしていると評し、「本県としても私立に対し、特色ある支援をしていく。学校、家庭、地域が連携し、私学の特色を十分発揮してほしい」と私学への理解を示した。
 また、来賓の新田篤実・広島県議会議長は、私学は特色ある教育を実践し優秀な人材を輩出しており、ますます私学に対する期待が高まっていると評価し、「私学(への支援)に対し最善を尽くす」と応えた。来賓として、秋葉忠利・広島市長、河井克行・衆議院議員があいさつ、私学教育を高く評価した。
 大会では、「一.教育費に対する公費支出の公私立間格差を是正し、保護者負担の軽減を図っていただきたい」「二.私学に対する国庫補助制度の堅持充実をはじめとする財源措置の拡充により、私立学校の初等中等教育に対する国及び地方公共団体の責任を明確にしていただきたい」「三.公教育の振興・発展のため、教育改革に当たっては公私共存原則の確立、役割分担の適正化に配慮していただきたい」――この三要望を採択した。
 大会後には、同時開催された「私学フェスタ2006」に保護者とともに、来春受験する児童・生徒が集まり、会場はいずれも熱気に包まれた。

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