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記事2009年2月23日 2128号 (5面) 
新校長インタビュー (175) ―― 学習院女子中等科・女子高等科
科長 加川紀代子氏
キャリア教育で将来展望
伝えたい正直と思いやり
 学習院女子中等科・女子高等科(加川紀代子科長、東京都新宿区)は、華族女学校として開校以来、一貫して「その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につける」ことを目標に掲げてきた。生徒たちがダイヤモンドの原石であることを自覚して学習に励み自らの能力を磨き上げ、よき友達と励まし合って光り輝く個性を発揮することを目指している。
 同校は中高一貫した教育課程を編成する中で、中等科一〜高等科一年までの四年間は基礎学力の充実を目指して、高二・三年では文系・理系のコースを設定し、さらに幅広い選択科目を用意している。この中で、キャリア教育の一環として、中等科三年の全員が夏休みに興味・関心のある職業について調べるという課題に取り組んでいる。職業を資料で調べ、実際にその職業に就いている人に会い、インタビューしたことをレジュメとしてまとめる。その上で、クラスごとで一人ずつプレゼンテーションを行う。
 「最後に各クラスから代表一人を選び、中三全員で発表を聞きます。この職業調べと発表は、各職業を知ること、スピーチの仕方、レジュメの作り方の工夫など、生徒にとってたいへん勉強になります」と加川科長は期待している。
 この調べ学習で、職業について学んだ上で、同窓会(常磐会)の支援を得て年二回行っている卒業生との交流会で、在校生と卒業生とが間近に語り合う機会がある。これによって、在校生は具体的に将来の展望を広げることができる。そして、高等科三年では、六年間の集大成として、自由なテーマで研究論文を作成する。
 「教育の根幹となる大切なことは不変です。戦後院長であった安倍能成先生が繰り返し諭された言葉に『正直と思いやり』があります。生徒にこれからもこの言葉を伝えていきたいと思います」
 加川科長は現在、高三の古文を教えている。同校は書くことを重視しているので、国語など答案は筆記試験中心で過程を重視している。
 現在、新校舎建設中で、高等科が本年九月から、中等科が二〇一一年一月から新校舎で学習活動が始まる。新校舎の正面は華族女学校創設当時の面影を残す方針だ。
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