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記事2012年6月23日 2242号 (3面)
新校長インタビュー(254)
恵泉女学園中学・高等学校 校長 加藤 英明氏
基本教育は聖書・国際・園芸 「問う」に重点置き人間教育
恵泉女学園中学・高等学校(東京都世田谷区)の加藤英明校長は、育てたい生徒像として、@個としての自覚に目覚めた女性、A平和への不屈の意志を持つ女性、Bいのちを育てる楽しさと貴さを知っている女性、C知的好奇心と確かな学力を備えた女性――を挙げる。この根底にある理念として「キリスト教の信仰に基づき、神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和実現のために貢献できる女性の育成」を掲げる。 そのための基本となる教育が「聖書」「国際」「園芸」だ。教科としての「聖書」は、聖書・キリスト教についての知識・理解を深め、信仰の世界への扉を開く。 「礼拝の時間は、生徒と教員が同じ平面に立つ意義のある時間です。また、生徒が順番に司会を務め、『感話』を担当する生徒礼拝があります。『感話』は生徒にとっては自己の内面を見つめることであり、教師には生徒の心の成長に驚かされるすばらしい機会です」と加藤校長は述べる。 教科ではないが「国際」は、すべての教科や教育活動において国際的な視点を持つことを大切にしている。異文化への理解や関心を深め、英語科は実用的な英語力の習得を目指している。 「園芸」は創立時から特設科目として、カリキュラムに取り入れられている。園芸を通して、いのちの尊さや働く喜びの大切さを学ぶためだ。 加藤校長は、「問う」に重点を置いている。「中学・高校の六年間で学力をつけるとともに、人間教育を大事にしています。そのために、生徒がじっくり考え、決して成果を急がないようにと考えています」と述べる。 カリキュラムにこそ学校教育への姿勢が表れているという考えの下に、新学習指導要領への対応をしながら、中学一、二年に「自学」(自習時間)を設けたり、中学三年に教科「情報」を設けたり、さまざまな工夫を凝らしている。また、昨年から学校教育法で定められた併設型中高一貫校として、名実ともに一貫教育を実践している。 加藤校長は大学を卒業後、エンジニアとして企業で働き、在職中にキリスト教の信仰を持ち転職。教員免許を取得し、平成十年に同校の教員に。副校長を五年経験した後、校長に就任。早稲田大学出身。
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