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記事2017年10月3日 2421号 (1面) 
日本版NCAA創設へ学産官連携協が初会合
大学スポーツの戦略的発展で
大学・競技横断的統括組織創設へ
課題を整理し、制度設計

スポーツ庁が新たに設けた「日本版NCAA創設に向けた学産官連携協議会」が9月28日、東京国立博物館平成館大講堂で初会合を開いた。  日本版NCAAとは、大学スポーツの発展を戦略的に推進する大学横断的・競技横断的な統括組織のことで、平成30年度中の創設を目指している。同協議会はその創設に向けて、課題の整理や制度設計の検討などを行う。具体的な検討は三つのワーキンググループで展開。学生アスリートのスポーツと学業の両立やキャリア形成支援などを検討テーマとする「学業充実WG」、安全性の向上に向けた各関係者の役割分担とガバナンス、安全プログラムの開発などを扱う「安全・安心WG」、日本版NCAAが提供するメリットや加盟要件、自立的組織とするための資金調達方法などを検討する「マネジメントWG」の三つで(いずれも仮称)、今年度いっぱい検討を重ねる。平成30年3月に協議会としての最終報告を公表する予定。  鈴木大地・スポーツ庁長官は、大学には学生アスリートや研究者・指導者などの人材、施設などの豊富なスポーツ資源があり、その活用で専門的能力の向上や地域コミュニティーの形成などに寄与できると大学スポーツの潜在力を説明。しかし一方で、安全性が十分に担保されていない、学生への学習支援が十分でない、学生競技連盟など団体間の連携体制が弱いといった課題があるとし、その解決策として日本版NCAAが必要だと説いた。活動は実行可能な分野・規模から進め、まず安全性確保と学業確保を図り、基盤を確立した後は人気向上やスタジアムアリーナの整備などを目指す、との事業構想イメージも明らかにした。  同協議会は、大学や学生競技連盟、民間企業、スポーツ団体のみならず学生アスリート自身まで会議に参加する体制を取る。初会合では、永田恭介・筑波大学学長、鎌田薫・早稲田大学総長、ミズノ株式会社や三井住友海上火災保険株式会社の常務執行役員、大学サッカーの人気向上と競技力向上に向けた活動をしている学生の団体・一般社団法人ユニサカの渡辺夏彦代表理事らが登壇。それぞれ日本版NCAA創設への期待を語った。

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