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記事2017年4月13日 2405号 (1面) 
広域通信制高校問題で点検調査報告
28年度調査 教員配置不足や特区法違反など判明
義家副大臣「本質的議論が必要」と

「広域通信制高等学校の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議」(座長=荒瀬克己・大谷大学教授)は4月11日、東京・霞が関の文部科学省で第5回会議を開催した。閉鎖・廃止になった株式会社立学校の状況と、広域通信制高校に対する点検調査実施状況についての報告や、NHK学園高校通信制課程の充実した教育内容についての説明が行われた。  株式会社立学校については、今年3月31日、ウィッツ青山学園高校が閉鎖となり、師友塾高校が廃止になった。  ウィッツ青山学園高校は、広域通信制課程のほぼ全ての教育活動が学習指導要領から逸脱していたため、昨年3月以降、所轄庁の伊賀市を通じて違法状態の是正を指導、8月には初めて構造改革特区法に基づく措置要求を行った。その結果、伊賀市は運営主体を学校法人神村学園に変更、今年3月31日にウィッツ青山学園高校は閉鎖した。  師友塾高校は、昨年12月、所轄庁の尾道市に対して、財政的な理由で年度末をもって学校を廃止したいと連絡があったが、生徒・保護者への説明は行われていなかった。このため、尾道市に対しては生徒の転学のあっせんを、全国高等学校通信教育研究会に対して生徒の受け入れ協力を要請。また生徒・保護者に説明会を開催した。3月31日に師友塾高校は廃止となった。  これを踏まえ、株式会社立学校制度の運用改善のため構造改革特別区基本方針(閣議決定)を改正。「特例措置の内容」に、認定地方公共団体の設ける審議会に指導監督の役割を期待するとともに審議対象、構成員に教育の専門家および会社経理の専門家を含むこと、地方公共団体に教育の専門知識・経験を有する職員の配置等、適切な指導監督を行うための体制を確保することを要件化した。  また、文部科学大臣の「同意の要件」に、適切な指導監督体制の確保、法令・特区法の資産要件を満たしていること、役員要件を満たしていることが認定地方公共団体より確認されること、教育環境の改善に努めることが追加された。  続いて広域通信制高校に対する点検調査について、「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」に基づき、平成30年までに30校程度、実地調査による点検調査を実施するとした。その際、株式会社立学校は原則対象とし、内閣府と連携する。その試行として、平成29年2月〜3月に学校法人立2校、株式会社立1校に調査を実施。不適切・改善事項については、3カ月を目途に改善状況の報告を求めるとしている。  平成28年度に実施された書面調査、今年の試行調査の結果、広域通信制高校の一部は、教員配置が不十分、研修計画がない、教員採用を連携施設に委ねる、連携施設が高校であるかのような表現がされている、学校評価等が実施されていない、面接指導が適切に行われていない、さらには特区法違反に当たる等、さまざまな問題点があったとした。こうした状況に委員からは、所轄庁に対して強い指導が必要だ、通信制が長らく放置されていたためではないか、などの意見が上がった。   義家弘介・文部科学副大臣は、「点検調査結果の分析を進めつつ、制度の在り方も視野に入れた本質的議論が必要だ。国民の前に明らかにして必要な施策を進めたい」と述べた。

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