文部科学省の「高校生等への修学支援に関する協力者会議」の初会合が５月１８日、同省で開かれた。この会議は、所得制限を導入した現行の高等学校等就学支援金制度の開始や、授業料以外の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金の創設等から３年が経過したことから、国会での附帯決議も踏まえ、就学支援金や奨学給付金の効果や影響等を検証し、今後、取り組むべき課題や講ずべき措置等を検討するもの。委員は大学教授ら６人、座長は小川正人・放送大学教養学部教授で、教育の機会均等の観点に加え、少子化対策、貧困対策の観点からも実証的な検証等を行い、早ければ年内にも検討結果を取りまとめる予定。 　検討の論点例としては▽現行制度によって機会均等はどのように進展したか▽支援の拡充が必要な場合、優先順位の高い支援は何か▽支援の必要性が高い者を適切に判断できているか▽ふるさと納税等の税額控除をどのように考えるか、などを挙げている。 　この日は、山形県の教育委員会と私立学校所管課から高校生等の教育費負担軽減の取り組みや就学支援金制度改正の影響等を聴取し、その後、意見交換したが、就学支援金制度創設以降、私立高校生の高校生全体に占める割合が上昇していることや、授業料が微増していることを取り上げ、「穿（うが）った見方をすれば、私学経営をサポートしている」といった意見や、私学助成も含めた検討の必要性を指摘する意見も聞かれた。