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記事2018年11月3日 2457号 (1面) 
文化部活動の在り方会議が第3回会合
ガイドラインの作成検討
先行する運動部と横並びの内容提案
文化庁 例外の記述は退ける

文化庁の「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」(座長=長沼豊・学習院大学文学部教育学科教授)が11月1日、都内で第3回の会合を開いた。同ガイドラインは文化部活動について適切な活動時間や休養日の基準を示すもので、中学校段階が対象だが原則として高校段階にも適用される。年内に完成予定。  前回までの議論を踏まえて事務局が用意した素案は、「1日の活動時間は平日2時間程度、学校の休業日は3時間程度」「学期中は週当たり2日以上の休養日(平日1日、土日1日以上)を、長期休業中には長期休養(オフシーズン)を設ける」との基準を示した。今年3月に策定された運動部活動ガイドラインにそろえている。しかし、ある委員は「吹奏楽部の場合、運動部とは違って大会に向けた準備は練習だけではない。自身の表現のために企画を練る段階から始まる」との性質の違いを挙げながら「この基準では定期演奏会の準備はとてもできない。現場に混乱をもたらす」とした。その上で「年一回の発表の場に向けては例外的に長時間の部活動を許容する、などの注を入れてはどうか」と提案したものの、事務局は「もとより強制力のないガイドラインがこのうえ例外を記したらますます弱くなってしまう」と退けた。他の委員からは「現場には『強制力がないのだから守らなくていい』という受け止め方がある。絵に描いたもちにならないよう、予算配分などでペナルティーを設けてはどうか。過労死が起きた場合の責任の所在を明らかにしておく必要もある」との意見が出たほか、この段階に至ってもなおガイドライン自体が不要だとする委員もいて、策定した後に現場がどう受け止めるか、混乱も予想される議論となった。  私学の扱いについては素案で既に「運動部ガイドラインと同じく、国公私立全ての設置形態に適用する」としているが、その上で委員から「実効性を高めるには私学の賛同を得る方法を十分に考えて巻き込んでいく必要がある」との意見も出た。次回は12月5日開催予定。

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