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記事2018年5月23日 2443号 (1面) 
変わる高校教育、大学教育、大学入試
大学入学共通テストの検討・準備進む
2020年度から実施 民間の英語資格・検定を活用

2012年8月、文部科学省の中央教育審議会への諮問「大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について」で始まった高大接続改革は、6年近くが経過、最終段階を迎えつつある。


高校教育に関しては今年3月に新学習指導要領が公示され、2022年度から年次進行で実施されるが、既に主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を目指し教科指導の改善等が高校で始まっている。  大学教育に関しては各大学等の卒業認定・学位授与等の基本方針に沿ったカリキュラム改革や入学者選抜改革など、大学教育の質的転換が進められている。  高校と大学等を繋ぐ大学入学者選抜では現行の大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が2020年度から開始(現行の学習指導要領に対応)され、2024年度からは新しい学習指導要領に対応した内容となる。  また、個別大学の入学者選抜では、学力不問の選抜をなくすため、AO入試・推薦入試で小論文、プレゼンテーション、教科・科目に係るテスト、共通テスト等のうち、いずれかの活用が必須となった。  高校の調査書は2021年度から記載内容が追加・変更され、行動の特徴や特技等、部活動、ボランティア活動、留学・海外経験、取得資格、検定等が記載される予定で、より高校生活の姿や成果を反映する形となる。  調査書や日頃の指導改善に活用するための「学びのデータ」を、ICTを活用して蓄積する取り組みも始まっている。  その中にあって、学校関係者の関心が高い「大学入学共通テスト」に関しては、出題教科(科目)は国語(国語)、地理歴史(世界史Aなど6科目)、公民(現代社会など4科目)、数学(数学Tなど4科目)、理科(物理基礎など6科目)、外国語(英語など5科目)、専門学科に関する科目(簿記・会計、情報関係基礎の2科目)。そのうち「国語」「数学T」「数学1・数学A」ではマークシート式問題に加えて記述式問題が出題されることになった。  記述式問題の出題範囲は「国語総合」(古文・漢文を除く)で、思考力・判断力・表現力を評価する。数学の記述式問題の出題範囲は「数学T」で、特に数学を活用した問題解決に向けて構想・見通しを立てることに関わる能力の評価を重視する。  英語は4技能を評価する。数十万人の大学等受験生のスピーキング能力等を測るのは現状では困難なため、大学入試センターが認定した民間の資格・検定試験を活用することになった。  ただし2023年度までは入試センターが英語の試験を実施、各大学は民間の認定試験のいずれか、または双方を利用することができる。それら検定等の受験は高校3年の4月から12月の間の2回までで試験結果は各大学に送付される。  共通テストの英語に活用できる資格・検定の時期が限られたこと等について、それ以前に優秀な成績を上げても試験に活用できないことから、日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長)では文部科学省に改善を要望している。  大学入試センターによって認定されたのは七つの実施主体が実施する22の英語資格・検定試験。七つの実施主体は「ケンブリッジ英語検定」「実用英語技能検定」「GTEC」「IELTS」「TEAP」「TOEFL」「TOEIC」で、4技能を測るのが大前提。  それぞれの資格・検定試験の難易度等については、CEFR(外国語の学修、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)との対照表を公表している(図表参照)。  このほか、マークシート式問題も思考力・判断力・表現力をより重視した作問とする方針。  共通テストの実施期日は1月中の2日間。  大学入学共通テストの実施大綱は来年度初頭目途に策定・公表される予定。新学習指導要領に対応した実施大綱は2023年度に策定・公表される。  大学入学共通テストに関しては、林芳正文部科学大臣が5月17日、AI時代の人材育成等をテーマにした政府の未来投資会議の席上、高校の新学習指導要領で必修化される「情報T」を大学入学共通テストの科目として各大学の判断で活用できるよう検討する意向を明らかにしている。CBTによる実施も視野に検討を進める考えだ。

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