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記事2018年6月3日 2444号 (1面) 
中央教育審議会の審議動向
関学大学長らから意見聴取 
自由で柔軟な機能分化など求める
大学分科会将来構想部会

中央教育審議会大学分科会の将来構想部会(部会長=永田恭介・筑波大学長)は5月25日、文部科学省内で第19回会合を開いた。日本の高等教育の2040年ごろを見据えた将来構想について、同部会の委員でもある村田治・関西学院大学学長と、麻生隆史・第二麻生学園理事長・山口短期大学学長がそれぞれ意見発表を行った。  村田学長はまず、AIの発達とそれに伴う社会構造の変化への対応を取り上げ、AI活用人材を大学で育成することや、そのための制度設計の必要性などを強調。柔軟な学位プログラム編成を可能とする設置基準改正なども必要だとした。教育の質の保証に関しては、少人数での授業、準備学修と授業後の課題などを特に重視。そのため、特に私立大学についてはST比(教員1人当たりの学生数)の改善が必要不可欠である、とした。大学の機能分化については、固定的なタイプへの誘導は大学を画一化して多様性を損なう、との観点から「各大学の立地条件、建学の精神等に照らして自由で柔軟な機能分化を行う必要がある」とした。その他、地方国立大学と公立大学のすみ分けと統廃合が必要、リカレント教育は大学院レベルの高度なものが重要といった意見を述べた。  麻生理事長は、短期大学に論点を絞って意見を述べた。今後の入学者数の減少は避けられないだろうとしつつ、短大は専門職業人材の養成や地域コミュニティーの基盤となる人材養成、多様な生涯学習機会の提供といった使命を持っており、存続すべきだと主張。将来的な制度設計として(1)短大を大学(前期課程)・大学(二年制)または○○大学○○学科(二年制)にする、(2)短大卒業者に准学士の学位(アソシエート・ディグリー)を授与する、(3)四年制大学に前期課程・後期課程を置けるようにして前期課程のみを置くことも可能とする、(4)三年制短大の卒業者が一定の条件を満たした場合に学士の学位を与える――と提案した。  会合は今後6月中に2回開き、その段階で中間まとめの予定。

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