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記事2018年9月13日 2453号 (1面) 
学校法人のガバナンス機能強化
学校法人制度の改善方策案意見公募 文部科学省
役員の責任の明確化等  来年の通常国会に関連法案提出

文部科学大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会学校法人分科会の下に昨年8月に設置された「学校法人制度改善検討小委員会」(座長=日〓義博・学校法人専修大学理事長)はこのほど、11回の会議を経て「学校法人制度の改善方策(案)」をまとめた。その中では学校法人におけるガバナンス機能の強化等に向け役員の責任の明確化(善管注意義務、利益相反行為の対象拡大など)や、私立大学版ガバナンス・コード(自主行動基準)の策定推進、積極的な情報公開と経営状態の見える化のよる改革促進、経営困難な場合に経営判断を促す指導の実施、学校法人の破綻処理手続きの適正化による学生保護の充実等を提言した。改善方策案の策定を受けて同省高等教育局私学部私学行政課では9月6日、国民から意見を公募する手続き(パブコメ)を10月5日必着の期限で開始(詳細は文科省HPで)。同小委では今秋にも最終的な取りまとめを行い、同分科会に報告する。同省では改善方策実施のため来年の通常国会に大学改革関連法案として提出する予定だ。


学校法人制度の改善については、同省の「私立大学等の振興に関する検討会議」の議論のまとめ(昨年5月)を踏まえ、わが国の教育に大きな役割を担う私立学校が、今後も社会からの信頼と支援を得て重要な役割を果たし続けるため、学校法人の自律的で意欲的なガバナンスの改善や経営の強化の取り組み、情報公開を促すとともに、学生が安心して学べる環境整備を含めた改善方策をこの一年間、検討してきた。  今回の改善方策案に関しては、平成16年の私立学校法改正で規定した理事会・監事・評議員会の基本的枠組みは維持しつつ、法改正時に想定した各機関の役割を十分に果たせるよう、他の公益的な法人の改革も参考にまとめられた。  改善方策案は大きく分けて、(1)学校法人の自律的なガバナンスの改善・強化、(2)学校法人の情報公開の推進、(3)学校法人の経営の強化、(4)学校法人の破綻処理手続きの明確化が柱。  このうち(1)学校法人の自律的なガバナンスの改善・強化では、金融庁と東京証券取引所が中心となって上場企業が守るべき行動規範で、企業統治の指針として策定された「コーポレートガバナンス・コード」に倣って、まずは私立学校の自主性・自立性を最大限発揮して、文部科学大臣所轄法人(大学法人等)を中心とした私学団体において取り組みを開始することを想定。その自主行動基準には経営と教学の連携・協力の在り方、外部理事に対する十分な情報提供、監事監査基準・同規則等の作成、法人の規模に応じた評議員数の配置、情報公開等を盛り込むべきだとしている。また役員の責任の明確化(善管注意義務、第三者に対する損害賠償責任、役員報酬基準の策定、利益相反行為の対象拡大等)、監事機能の充実(理事の行為の差し止め請求、監事の理事会招集請求権等)等を打ち出している。また(2)の学校法人の情報公開の推進では、文部科学大臣所轄法人に関して貸借対照表、収支計算書、事業報告書の公表、財産目録、監査報告書の公開等を提言している。高校以下の都道府県知事所轄法人に関しては、都道府県が独自に監督を行っていることから財政状況等を広く全国に公表することを義務付けることには慎重であるべきだと指摘している。  (3)学校法人の経営の強化に関しては、強みを生かし、弱みを補いながら求められる役割を最大限果たしていくためには、学校法人や私立学校の連携・統合を支援するものとして、日本私立学校振興・共済事業団等が必要な情報を収集しマッチングする仕組みを構築するべきだと提言。また、学部単位等での円滑な事業譲渡の在り方(審査項目の簡略化等)、さらに文科大臣所轄法人を対象に新たな財務指標を設定し、法人の自主的な経営改善を一層推進するとともに、経営困難な場合に経営判断を促す指導を行うこと、(4)の学校法人の破綻処理手続きの明確化に関しては、解散命令によって学校法人が解散した場合には、所轄庁が清算人にふさわしい人物を選任することができる仕組みを設けること(現行では理事が清算人に就任)、ただし学校法人自身の経営判断を促すという新しい経営指導のスキームを実施する予定だとして、所轄庁に財務状況の悪化(支払い不能または債務超過)という理由のみで破産手続き開始の申し立てを行う権限まで付与する必要はないと考えるとしている。そのほか学生の授業料返還債権の考え方の整理を行っている。

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