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記事2018年9月13日 2453号 (1面) 
OECD 社会が求める技能と学位でミスマッチ
高等教育修了割合日本、加盟国中2位
図表で見る教育2018年版公表

OECD(経済協力開発機構)は9月11日、加盟各国の教育の現状などのデータをまとめた「図表でみる教育」2018年版を公表した。  示されたデータの一つが、大卒以上の学歴(一つ以上の学士号を持つ成人)ながら、高卒資格で十分な仕事に従事している人の割合。日本では2012年時点で29%に上るが、OECD平均は13%で、加盟国の中で日本が最も高かった。これについてアンドレアス・シュライヒャーOECD教育・スキル局長は「経済社会が求めている技能と、学位とのミスマッチがある。高等教育を縮小すべきだとは思わない。必要とされる技能をどう身に付けさせるか、教育機関は改めて考えるべきだ」と話した。  国公立大学の学士課程の授業料を見ると、日本は英国、米国、チリに次いでOECD加盟国中で4番目に高額だった。また、過去10年に授業料が上がり続けているとのデータも示して、「学生とその家族に極めて大きな負担を強いている」とした。ただし、これと併せて給付型奨学金制度の創設などの取り組みも取り上げて「学生に対する経済的支援制度の改善が図られてきている」としている。  日本は高等教育を修了した人の割合が大きい、とのデータも示された。2017年時点で25〜64歳人口の51%が修了者で、OECD平均の38%を大きく上回り、加盟国中でカナダ(57%)に次ぐ2番目に高い割合だった。このパターンが継続するといずれ成人の72%が高等教育を修了すると見込まれる、としている。  男女別での高等教育修了率は2017年時点で男性59%、女性62%。日本で特徴的なのは短期課程在学者の多さで、OECD平均の16%に対して男性28%、女性43%だった。短期課程に女性が多い理由については、保健・福祉、サービス専攻など女性に人気の分野が多いからでは、と推察している。  また、高等教育を修了した女性の就業率は近年急上昇し、2017年時点でOECD平均並みの79%に達した。10年間で11ポイント増は加盟国で最も急な伸びとのこと。

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