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記事2019年12月13日 2496号 (1面) 
スクール・ミッション再定義提案
役割複数併有を念頭に
新しい時代の高校教育WG

中央教育審議会・初等中等教育分科会・新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキング・グループ」(主査=荒瀬克己・大谷大学文学部教授)は12月9日、文部科学省内で第5回会合を開き、(1)高校の専門学科の在り方、(2)生徒の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすための学科の在り方等について審議した。このうち(2)生徒の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすための学科の在り方等については、事務局(文科省)がこれまでの議論を整理した具体的論点を提示した。その中では高校教育の入学から卒業までの方針を一貫性・体系性あるものとして構築することが必須だとした上で、論点1として、スクール・ミッションの再定義、論点2として、スクール・ポリシーの策定等を提案した。具体的には、スクール・ミッションの再定義に関しては、設置者は各学校と適切に連携しつつ、各学校に期待される社会的に果たすべき役割(スクール・ミッション)の再定義を提案しており、普通科高校においても、キャリアをデザインする力の育成グローバルに活躍するリーダーの素養の育成サイエンス・テクノロジーの分野でのイノベーションの素養の育成スポーツ・芸術分野の素養の育成成長分野の発展を担うための素養の育成地域を支えるために必要となる力の育成多様なニーズに対応した教育機会の提供これからの時代においても求められる教養教育などさまざまな役割を担うことが期待されていると指摘。役割の選択とその比重について検討することが必要としている。こうした役割については学校ごとに単一とするのではなく、複数併有を念頭に置いている。公立高校に関しては進学重点校や中堅校、進路多様校のような偏差値的学力で定義する趣旨ではないことの理解が必要だとも付言している。  スクール・ミッションの再定義では、普通教育を主とする学科の在り方について、設置形態の大綱化など、さらなる検討を実施。都道府県においては、域内の公立高校の配置および規模の適正化の観点も踏まえ再定義を実施するよう提案している。  一方、スクール・ポリシーの策定等に関しては、卒業の認定に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)、入学者の受け入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)を策定し、適切なカリキュラム・マネジメントの下で各学校の教育活動のPDCAサイクルを確立することを提案している。こうした提案に同WG委員からは、「スクール・ミッションの再定義と類型化とはどう違うのか。一日の半分、学校外に出て学べるような柔軟なカリキュラムができたらいい」、「あなたらしくていい、という視点が欠けていないか」、「中学3年時の学校選択が非常に大変だ」といった意見が聞かれたほか、公立高校関係者からはスクール・ミッションの再定義では「国がリーダーシップ発揮してほしい」、「文科省がリーダーシップを取り、教育委員会に丸投げしないでほしい」といった声が聞かれた。(1)の高校の専門学科の在り方に関しては、東京都教育庁から東京都の高校改革の現状について、また東京都立町田工業高校長からはJICAや日本IBM等と連携した国際理解、ITの現状理解、ベトナムでの4泊6日の海外スタディーツアーなどの取り組みについて、大阪市立大阪ビジネスフロンティア高校長からは連携大学・学部への特別入学制度を活用しての高大接続7年間を見通したプログラム等について聴取した。委員からは専門学科ならではの一般科目(例えば商業高校なりの「化学」、工業高校の「化学」の必要性が指摘され、一般科目を専門高校なりの内容としないと「スクール・ミッション」は単なるお題目になってしまうとの意見や、工業科教員の確保についての都教委への質問に対しては、「実習助手に力を付けさせ、教員免許取得を促している。後は大学に要請している」との取り組みが紹介された。高校教育の在り方WGでは今後、「地域社会や高等教育機関との協働の在り方」、「定時制・通信制課程の在り方」について、順次検討を進めていくことにしている。

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