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記事2020年3月13日 2504号 (1面) 
中高連が理事会、評議員会開く
吉田晋会長の再任決まる
令和2年度事業計画等も決定

 本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長=富士見丘中学高等学校理事長・校長)は3月10日、東京・新宿区内のホテルで第20回常任理事会・第183回理事会、第156回評議員会を開催し、次期(令和2・3年度)会長に吉田晋・現会長を再任したほか、令和元年度事業中間報告案、同中間決算案・同監査報告、同補正収支予算案、令和2年度事業計画案、同収支予算等を審議し、いずれも原案通り承認した。

 このうち常任理事会・理事会では、次期会長の選任を審議するため、山中幸平・副会長が議長を代行。その中では堀井基章・副会長が1月14日に会長候補者選衡委員会を開き、各地区の代表者が話し合った結果、全会一致で吉田・現会長を次期会長候補者に選んだことを報告。それを受けて理事会では満場一致で吉田・現会長に引き続き来期も会長として会務運営に当たってもらうことを決めた。その後開かれた評議員会では、初めに直前の理事会で吉田・現会長を令和2・3年度の次期会長に選任したことが報告され、評議員会としても吉田会長の会長再任を承認した。

 次期会長に決まった吉田会長はあいさつし、公立学校で学業やスポーツなど特定の分野に重点を置いた学校が増えている一方で、私立学校の私学助成は厳しい状況にあり、国の財政措置額を下回る助成額しか出していない自治体が少なくないことを指摘して、「公立学校が学区もなくし、中高一貫教育校を作っている。公立学校の目的をもう一度はっきりすべきだ」と語った。

 また、15歳人口の減少に合わせて、現行の公私比率のまま、私立学校の定員を減少させるのではなく、公立の定員を減少させていくべきで、また通信制高校でありながら生徒が毎日のように通学する全日制型、通学型があることに強い疑問を呈し、通信制高校の設置基準の見直しが必要だとした。最後に、「戦う私学、子供たちのための私学」として会の運営に当たっていきたい、と語った。 

 令和2年度の事業計画については福島康志・事務局長が説明したが、連合会の重点事項である経常費補助の拡充、地方交付税措置の拡充、学校施設の耐震化の推進等のほか、就学支援金の都道府県間格差を縮めるため、国に更なる支援を要請すること、中学校の就学支援金(実証事業)については制度の恒久化を強く要望していくこと、各都道府県の私学助成の拡充のため少しでも役に立つ情報の提供等を進めるため、協会長・事務局長会議を前年度に引き続き年に3回開催すること、少子化時代の中で公私立学校の役割分担や各都道府県に設置されている公私立高等学校協議会について、どうあるべきかについて考えをまとめ、関係機関に要望していきたいなどとした。このほか同連合会が運営している私学ボランティア基金については、災害等で被災した学校や居宅を失った生徒等へ見舞金を贈呈しているが、是非とも多くの学校に参加してほしいなどと語り、一層の協力を要請した。
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