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記事2020年4月13日 2507号 (1面) 
私大団体連、コロナウイルス感染症対応で要望
経済的困窮に陥った学生に十分な支援を
遠隔授業実施の体制整備なども要請


 日本私立大学団体連合会(長谷山彰会長=慶應義塾長)は3月31日、文部科学省の伯井美徳・高等教育局長に、「新型コロナウイルス感染症対応に係る要望」を提出した。 


 要望では、同省より3月24日付文書で要請のあった学事日程の変更だけではなく、留学生の派遣や受け入れに関しても出入国規制が行われるなど、環境が平時と大きく異なっている私立大学の現状を踏まえ、文部科学省の通知による取り扱いに加え、4点の事項について特段の配慮を要請している。 


 1点目は経済的困窮に陥った学生への支援。


 学生の家計支持者の休業や失業、学生自身のアルバイトの減少等で、多くの学生や留学生が経済的困窮に陥ることが予想されるとして、そうした学生や留学生に対する十分な財政支援、さらなる奨学金の拡充を要請。


 2点目は遠隔授業を実施するための体制整備への支援。感染リスク低減のために必要となっている遠隔授業等に関して、私立大学の教育の質の担保と、教育格差を生じさせないよう遠隔授業実施体制整備に向けた財政支援を求めている。


 文部科学省の「平成28年度の大学等における教育内容等の改革状況について」(令和元年5月)によると、遠隔授業を行っていると回答した大学(国公私立)は、全体の26・5%(195大学)にすぎず、残りの73・5%(541大学)は遠隔授業を実施していなかった。


 3点目は新型コロナウイルス感染症防止に関する研究、医療体制への支援。感染症拡大防止に向けた私立大学の研究および医療体制、産学間の連携体制整備のための緊急的支援を要請している。


 4点目は学生定員の管理、学生数の調査、制度に関する手続き等の緩和。学生定員の充足・超過率は私学助成の配分をはじめとする諸施策に連動し、大学経営への影響は大きい。また毎年5月1日現在で学生数等を調査する「学校基本調査」が行われているが、今年は回答が現実的に困難な状況にあるとして、学生定員の管理、「学校基本調査」をはじめとする国等の調査、高等教育の修学支援制度に係る手続き等について柔軟な対応を求めている。 


 ※同調査では、遠隔教育とは多様なメディアを活用して、教室以外の場所で履修させる授業科目のこと、としている。


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