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記事2020年11月23日 2528号 (6面)
桃山学院大学の取り組み 新校舎「あべのBDL」誕生
企業や団体と連携して課題解決

 桃山学院大学(大阪府和泉市)は、2019年4月に開設した経営学部ビジネスデザイン学科を2021年4月に改組・増員するのを前に大阪市阿倍野区に新校舎「あべのBDL(ビジネスデザインラボ)」を設置した。そして対面授業再開に合わせ、地元の企業や団体と連携し、新しい学びの場でのPBL(課題解決型学習)授業がスタート。学生提案のアイデアやビジネスモデルが生まれている。


 8月に文部科学大臣の認可を受け、同学科は来年度より独立して「ビジネスデザイン学部ビジネスデザイン学科」となり、併せて入学定員も現在の70人から200人に増員することとなった。そして昨年度の法人創立135年および同大学開学60年記念事業として行われた同学院昭和町キャンパスの新校舎「聖テモテ館」(同学院中学高等学校校舎に隣接)が8月29日に完成。中学高校の施設に加えて、市内の別の場所にあったBDLが移転する形であべのBDLが入る。近年オフィスでよく見られるワーキングスペース型のキャンパスとなり、ラーニングコモンズや壁の取り外しが可能な教室など交流と共創を促進する環境が実現。同時に広々とした空間で換気が十分など感染症対策も施されている。


  同学科では今年度の春学期から各企業とともにオンラインでPBLに取り組み、対面時とほぼ同じ内容の授業を進めてきた。9月7日からは同学科今年度初の対面授業が始まり、2年生がJA大阪中央会(同中央区)と組んで、新しい学習空間を使ってのPBLを開始した。学生が各直売所で聞き取りなどを行ったのち、同22日に選抜グループによる成果報告会を開催、「臨時駐車場を有効活用したビジネス企画」を提案したグループが最優秀賞を獲得した。あいさつで牧野丹奈子学長は「いつでも誰とでも意見を言い合え、オープンであることで『常に見られている意識』を学生が感じ、活発に学び合える環境をつくった」、菊地昌弥学科長は「若者の農業や食への関心は薄いと感じるが、あらゆる業界に対し『ビジネス視点』で興味を持ってもらうために今回の取り組みを行った」とそれぞれ述べた。


 そして同29日からは小林製薬梶i大阪市中央区)とのPBLを開始。オンラインと対面との併用で週1回、全15回にわたって授業が行われ、来年1月19日に成果報告会を実施予定。現在は中間発表が終わり、学生のアイデアに対し同社からフィードバックをもらった段階だ。受講学生は「逆に言い返されることもあるが、はっきり自分の考えを伝えられるようになった」「人前で話すのは苦手だったのでその部分が鍛えられる」と語るほか、同社担当者は「回答者を困らせるほどの中身のある質問をしてくれる」と話している。


オフィスのような空間が広がる


JAと合同でPBLを実施

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