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記事2020年12月13日 2530号 (6面)
麗澤中学・高等学校の取り組み
オンラインでも部活動や修学旅行など課外活動継続
コロナ禍の企業を自分事と捉えるプレゼンも実施

 麗澤中学・高等学校(千葉県柏市)は他校と同様、コロナ禍で4〜5月は休校措置が取られ、授業はオンラインで実施された。部活動などの課外活動も学校によってはこれまで通りの実施が困難となりやむを得ず中止となった所もあった中、同校では中学校の部活動・文化祭・修学旅行をICT機器を駆使して、今までとは違う形ながらも例年通り実施した。また11月にはコロナ禍の企業や団体を自分事と捉えるための課題解決に向けたプレゼンテーションを行った。


  同校のオンライン課外活動は4月から開始。体育科の教員がトレーニング動画を中高の全学年に配信すると、生徒だけでなく保護者も一緒に見ているという声があった。その後すぐに中学校の野球部でズームを使ったオンライン部活が始まったが、これは教員の呼び掛でなく「生徒の方から『何とかしてつながっていたい』と言ってきた」と顧問の小宅崚太先生(地歴公民科)は当時のことを振り返る。週2回、夕方の1時間にトレーニングやミーティングを実施。さらにその後は在宅であることを生かして飲食しながら先輩・後輩が交じって勉強や雑談をするという時間も設けられた。トレーニングには生徒の家族も加わるなどして「皆さんが温かく受け入れてくれた」(小宅先生)という。夏の大会はいつも惨敗していたのが今年開かれた交流試合で強豪校に勝つことができ、オンライン上でも保たれた団結力が実を結ぶ結果となった。


 夏から登校が再開されても移動や密集しての活動は制限されたものに。しかし中学校の9月の文化祭、10月の修学旅行は新しい形で例年通り行った。文化祭での音楽活動の発表は、テレビコマーシャルをまねて1人ずつの歌唱・演奏をつなげ全員で合唱・合奏したものにして披露したほか、バレエを習っている生徒はバレエ教室の協力を得て普段学校ではしない舞踊を見せた。また修学旅行は例年伊勢・奈良・京都を訪れていたのができなくなった代わりに、これも生徒からの提案により、まちづくりのゲーム「マインクラフト」を使い訪問地の歴史的建造物を教科書や資料集を基に「建立」するという形で実施。「できないことばかり思うのではなく今できることを考えて挑戦してきた。生徒たちは強くなった気がする」と、文化祭・修学旅行を担当した秋元誠道先生(言語技術科)は話すほか、廣中富士子・進路教頭も「生徒たちのつながりを止めたくないという思いでやってきた。オンラインなら距離という制限もなくせる」と語る。


 そして11月26日には総合学習の時間において、コロナ禍で多くの行事が中止となる中、生徒には悲観せずそこから学び社会と向き合う姿勢を持ってほしいという願いから、生徒が企業や団体のコロナ禍による課題を見つけ解決するという企画を実施。四つの協力企業・団体の解決策のプレゼンを、動画なども使って作成、披露した。12月17日に優秀作品が発表される。


小宅先生(左)と秋元先生(右)


バーチャル修学旅行で寺院を「建立」(同校提供)


動画も使って企業へプレゼン

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