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記事2021年11月23日 2562号 (6面)
大手前大学の取り組み
リレー講義で地域への理解深める
働き方・生き方考えるきっかけに

 大手前大学(大阪市中央区)は、現代社会学部観光ビジネス(主任:海老良平准教授)の科目として、主に1年生を対象に、「西宮 まち・ひと・しごとリレー講義」を9月30日から約4カ月にわたり開講している。


 これから直面する人口減少社会の中で、活力ある社会を維持していくための国の政策が地方創生、いわゆる「まち・ひと・しごと」の活性化であり、その中で観光は重要な柱として期待されている。同講義では、同大学現代社会学部のカリキュラム・ポリシーである「社会のさまざまな活動を理解し、洞察力、創造力を高めること」を目的とし、観光客を引きつける魅力ある街とはどのような街なのか、どのような人が関わっているのかをさまざまな角度から学んでいくことに取り組んでいる。


 同講義は、観光ビジネスの専門科目としているものの、他学部の学生でも自由に履修できる科目となっている。


 授業は同大学さくら夙川キャンパスのある西宮に関わりのある人々を講師に招き、オムニバス形式で進めていく。講師陣は観光、文化芸術、スポーツ、ビジネス、行政等、それぞれの分野の第一線で活躍している人々を招く。


 同講義を受講することによって、西宮で活躍する人々の話から地域への理解を深めるとともに、その仕事ぶりを将来の働き方や生き方について考えるきっかけにしてほしいという。


 加えて、さまざまな産業や人が交じり合い、長い歴史を形成してきた西宮への理解を通して、学生が地元への興味関心を高めることができるようになることも目指している。


 9月30日に開催された第1回講義は、西宮市役所産業文化局都市ブランド発信課の大西翔介氏が講師を務め「西宮市の観光戦略―ライフスタイルの提案―」と題して西宮の観光の現状、西宮の街の特徴、ライフスタイルの提案をテーマとした現在の西宮の観光戦略等を解説した。西宮市は常に住みたい街ナンバーワンに選ばれる住宅都市としての特徴を持ち、コーヒーゲートスタンプラリー、阪神間お散歩マップ、甲子園地区でのスポーツ事業など、生活に密着した西宮の都市としての魅力を生かしながら観光戦略を推進していることなどを説明した。


 10月7日に開かれた2回目となる講義は、絵本作家で西宮市の観光キャラクター「みやたん」の作者である、たかいよしかず氏が講師となり、これまでの歩みから「みやたん」の誕生秘話、2012年に同大学で開催された「たかいよしかずの仕事とみやたんの宝もの展」の思い出など、仕事に対する深い情熱を学生に語った。「みやたん」の誕生秘話の説明では、貴重なデザイン画などを交えながら、同氏のたくさんの作品の中でも最も多くの時間と情熱を注いだキャラクターだと話した。


 学生からの質問にも数多く答え「好きなことを続けることはとても大事なことで、また『想像力』と『創造力』を持っていってほしい」とエールを送った。


 同大学は今後も地域やさまざまな企業と連携し、社会との接点をつくり、質の高い学修環境を整えていくことにしている。


10月7日の第2回講義

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