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記事2021年12月23日 2565号 (6面)
新しい可能性開き新時代の法曹養成
中央大学2023年茗荷谷キャンパス開設
法学部等茗荷谷へ移転
理工学部等と連携深め文理融合目指す

 中央大学(河合久学長、東京都八王子市)は2023年4月、東京都文京区に茗荷谷キャンパスを開設し、法学部の全学年、大学院法学研究科を多摩キャンパスから茗荷谷キャンパスへ移転する。その記者懇談会が2021年12月10日、多摩キャンパスのFOREST GATEWAY CHUOで行われた。大村雅彦理事長は「それぞれのキャンパスで強みを発揮したい。新しい可能性を開くために、キャンパスを整備する」、河合久学長は「開かれたキャンパス、学部の相互作用が期待できる。文系、理系と分けられない文理融合の観点からプログラムの開発等を進める」と期待を述べた。


 135年以上の歴史と伝統をもつ同大学法学部は、中央の法科とも法科の中央ともいわれている。これまでリーガルマインドをもつ人材を数多く輩出、法曹界をはじめ政界・官界・実業界などに強いネットワークを築いている。法学部の都心への展開は、創立130周年に当たる2015年に、その後の10年間を見据えて策定した中長期事業計画「Chuo Vision 2025」に基づくもので、2021年度第2期を迎えた。


 同大学は「實地應用ノ素ヲ養フ」を建学の精神に掲げる。社会に応用できる力の素地の下、知識をはじめさまざまな体験や人との交流を通して培われるコミュニケーション力、判断力、学び続ける力を涵養する。同ビジョンは「グローバルな視野と実地応用の力を備え、人類の福祉に貢献する人材の育成」をミッションに、「自らの改革を主体的、継続的に実行し、学校法人中央大学の構成員一人ひとりが、教育・研究・社会貢献・国際連携、文化・スポーツ活動等に取り組み、躍動感あふれ、ダイナミックな事業を展開する大学をつくりあげる。変化する大学の姿を絶えず発信し、次代に向けたさらなる発展の原動力とする」を2025年に目指すべき姿とした。


 また、法科大学院(ロースクール)が市ヶ谷キャンパスから2023年4月に御茶ノ水の駿河台キャンパスに移転するので、法学部と法科大学院の一貫教育のほか、教員の相互授業担当により法曹養成の機能を強化する狙いがある。法学部法曹コース(連携法曹基礎課程)の学生は原則として3年間で早期卒業し、法科大学院法学既修者コース2年と合わせ5年間の一貫した教育課程を編成、司法試験を目指すことができる。法科大学院との連携を一層強化し、法曹教育のさらなる充実を図る。法曹、公務員養成機能を担ってきた「炎の塔」(難関の国家試験合格を目指し、炎のように燃える情熱を込めて勉学に励むことができるための多摩学生研究棟)の機能も移転する。


 さらに、理工学部(後楽園キャンパス)、国際情報学部(市ヶ谷田町キャンパス)との連携を強化し、文理融合による共同科目を開講予定だ。これによって、複眼的な思考方法を身に付けることが狙い。



 同大学法学部は「法律学科」(法曹、企業、公共法務の3コース制)、「国際企業関係法学科」、「政治学科」(公共政策、地域創造、国際政治、メディア政治の4コース制)を擁する。3学科共通で1年次から4年次まで1クラス10〜15人程度の少人数制演習科目(ゼミ)で履修する。OB・OGのネットワークを活用して、実務家による講義を積極的に行い、生きた法律・政治を学ぶこともできるのが特徴の一つ。


大村理事長


河合学長


茗荷谷キャンパス外観イメージ


多摩キャンパスで行われた記者懇談会


多摩キャンパスFOREST GATEWAY CHUOの3階ホール

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