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記事2021年6月13日 2547号 (6面)
桜の聖母短期大学の取り組み
コロナ禍の状況下学生が考案・創作
「新たな生活様式」の弁当販売プロジェクト

 桜の聖母短期大学(福島市)では、食物栄養専攻の学生が「新たな生活様式」の弁当を考案し、地元のスーパーで販売した。このほか従来行われてきたことが制限された中でも実習を遂行させるなど、同短大でも新たな考えや方法を取り入れつつ、学修と地域との協働を継続して行っている。


 同専攻では2014年度から、同短大の地元のスーパーマーケットと協働しコラボレーション弁当を販売。主に春と秋の行楽シーズンや近隣でのスポーツ大会の時期に合わせて、20種類以上が作られてきた。そうした中昨年の春から、学生が特別研究において考案した「『新たな生活様式』が求められる時代に必要となる『新たなお弁当』」を創作し販売するプロジェクトが進められてきた。


 食べる場所に困っている人のために「ワンハンド・ワンスプーン」としベンチでも食べられるようにした上、毎日食べてほしいから完璧な栄養バランスを目指し、さらに会話しながらの飲食が控えられるようになったので、失われた昼の楽しみを取り戻したいという思いから究極の「映え」を追求した見た目に。スーパーの担当者へ学生がプレゼンテーションを行った後、昨年10月から今年2月まで店頭に並んだ。かわいいパッケージと食材の色合いが女性に好評だっただけでなく、見た目以上のボリューム感により男性にも満足感があったとのことで、約3500個を販売した。


 そして今年3月、「新たなお弁当」の続編として例年の花見用弁当に代わって「鞠MARI弁当」「韓国弁当」の2種類を学生が再び開発、スーパーへのプレゼンを経て4月に販売された。このうち韓国弁当には「旅行ができない分お弁当を食べて韓国旅行の気分を味わって」という学生の願いが込められた。現在も次回作の開発に取り組んでおり、10月に販売される予定だ。


 昨年度の同専攻の実習は従来と異なるものに。調理した後に反省点などを話し合う会食の場だった試食も距離を取り一方向を向いて食べるという形となってしまったほか、他学科の学生や教員に食べてもらう実習もできず、作る側、食べる側共に実習のランチを楽しめないという状況だった。だがそうした縛りの中でも、臨床栄養学実習では糖尿病患者向けの献立を学生自ら考え和洋の多彩な料理を完成させることができた(従来は糖尿病食のコンテストに応募していたが昨年度は開催されず学内実習のみにとどめた)。これらの取り組みについて同短大では「予定していた実習を全て行い教育の責任が果たせたことに対し、教職員の支援や学生の協力に感謝している」としている。


「新たなお弁当」が完成した


春のコラボ弁当のプレゼン

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