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記事2022年1月13日 2566号 (6面)
駒澤大学の取り組み
柴橋岐阜市長が仕事観テーマに講義
人生の目標に向かい全力尽くす

 2021年11月2日に開催された駒澤大学のキャリアデザイン講座に岐阜市の柴橋正直市長が登壇し、仕事観をテーマに講義した。


 同講座は税理士法人クオリティ・ワン代表税理士の渡邊勝也氏が主担当講師を務め、全15回の講義を通して、社会人として求められる「マインド(考え方)・ナレッジ(知識)・ノウハウ(技術)」を学び、総合的な人間力向上を目指すもの。渡邊氏が実務の中で経営者に指導している、ビジョンから逆算したプランニング方法や、戦略的な目標設定方法などをアクティブラーニング形式で伝える。


 また、各業界の最前線で活躍している実務家が登壇し、経験から導き出されたキャリアに対する考え方などをレクチャーしている。登壇する実務家講師は渡邊氏が選任。さまざまな職業があるということを学生に伝えるために行政、IT、保険、農業などの業界・業種から講師を招いている。


 同日登壇した柴橋市長は1979年に京都市で生まれ、2002年3月に大阪大学文学部を卒業。同年4月、UFJ銀行に入行、2004年10月、UFJ銀行退行後、2009年8月から衆議院議員を1期務め、2018年2月、第21代岐阜市長に就任した。


 講座では、街や人を動かす、人をつくるという市長としての仕事の具体的内容、人生の目的からの一貫性に生きることの重要性を話した。


 街を動かすことについては、中心市街地の再開発推進、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業、岐阜城など地域資源を生かした観光まちづくりといった取り組みを説明し「市長は街と市民のために実行するべきことを決め、民間企業などの協力を得て仕事ができ、やりがいのある仕事だ」と述べた。


 人を動かすことに関しては、街づくりのビジョンを示すことで、それに共感した人が岐阜市に転入する流れをつくり、20代の岐阜県内からの転入者数が増加傾向で推移しているとした。


 また、人をつくることについて、2019年7月3日に岐阜市内の中学校でいじめ重大事態が発生したため、いじめ問題対策委員会による調査、いじめ対策監の配置などを行い、2020年に改定した岐阜市教育大綱には「一人ひとりが価値ある大切な存在」との文言などを自ら盛り込み、教育に関する市長としてのメッセージを伝えたと話した。不登校特例校の取り組みなども解説した。


 人生の目的からの一貫性に生きることの説明では「目標に向かって一直線に打ち込み、情熱を傾け続けることが大切だ。それぞれの人生の目標に向かって全力を尽くすことで、醍醐味(だいごみ)を味わうことができる」との考えを示した。


 受講した学生からは「柴橋市長が人々の幸せに貢献するという理念の下、市民のニーズに合わせて行動していることに魅力を感じた」「渡邊先生の講座を通じて、思考と行為が一致しないと成功しないということが分かった」といった声が寄せられた。


 渡邊氏は「この講座で提供している情報が人生の中で種となり、将来、豊かな実となることを願っている」と話している。


渡邊氏(左)と柴橋市長(右)


学生たちは熱心に聴講した

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