愛知学院大学(愛知県日進市)は経営学部油井毅講師の専門演習Tゼミの一環として、潟Wェイテクトとパナソニック鰍ゥら、社会を変えるようなテーマの提供を受けて、デザイン思考とクリエーティブ思考で解決策を提案する最終プレゼンテーションを2022年2月7日〜8日に実施した。
同ゼミは、デザイン思考とクリエーティブ思考の醸成をテーマとして、べンチャー企業を3社設立した経験のある油井講師が理論と実務の対話を目的に行っている。3〜4人のチームを形成し、実際に企業から提供されたテーマに対して、デザイン思考とクリエーティブ思考によって解決策を考えていく。チームでクリエーティブ思考を生み出し、ユーザーに届けるまでを学ぶ。
デザイン思考とは、問題を見つけるところから始め、その問題の解決策を生み出し、価値を届ける手法。GoogleやAppleが製品・サービス開発で用いていることでも有名で、アカデミアでは欧米のMBAトップスクールが授業で採用しているという。
まず、チームビルディングとともに「自分は何者か」を理解するところからスタートし、その後、チームでデザイン思考のプロセスを経ながら、成果物の発表につなげる。半期のゼミでユーザー視点を身に付けることを目指す。
今回の産学連携ゼミでは、世界的に有名な企業であるジェイテクトとパナソニックの2社と受託事業契約を締結して「社会を変える」をテーマに、ジェイテクトからは「人間の能力を向上させる機器、サービス」、パナソニックからは「電動歯ブラシの新たな活用」という課題を受けた。
課題に対して、学生たちはプロジェクト管理のためのグループウエア「Slack」や、ホワイトボードの代わりとなる電子ポストイットツール「Apisnote」を使用した。また、深層心理(インサイト)を掘り下げるスタンフォード大学d.schoolが用いているツールの一つ、タイムマップを用いて、ジェイテクトチームは限界に感じること(体力、視力、聴力)、パナソニックチームは歯磨き(朝、昼、夜)についてインタビューも行った。
最終プレゼンテーションを行った学生は「ただやみくもに講義を受けるのではなく、社会を変えるようなリアルなテーマを受けて、デザイン・クリエーティブ思考というイノベーション手法を学べたことが良かった」「アイデアを発散し、メンバーの意見を収束するところが難しかった」とコメントした。
油井講師は「予測困難な時代だからこそ、自ら問題を見つけ、その解決策を考え、ユーザーに価値を届けることを学んでほしいと思う。独りよがりや思い付きのアイデアではなく、人間起点の困り事の解決策を提案できており、成長を感じた」としている。
協力した企業からは「企業内では絶対出ない20歳前後の発想は斬新であり、業務のヒントになることが多々あった」とのコメントが寄せられた。