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記事2022年4月13日 2575号 (6面)
麗澤大学の取り組み
2024年4月「麗澤スタンダード」本格稼働
工学部と経営学部の新設を構想

 麗澤大学(千葉県柏市)は2024年4月に全学共通教育である「麗澤スタンダード」を本格稼働するとともに、工学的知識とリベラルアーツ的要素を併せ持つ人材を育てる工学部と、日本初のファミリービジネスに特化した専攻を開設する経営学部を新設することを構想している。いずれも同大学の未来構想の下で推進している。


 「麗澤スタンダード」は教養教育の有用性を高め、各専攻分野の専門教育を学ぶ上で土台となる全学共通教育をさらに強化することを目的として導入を決定した。基盤教育機構を立ち上げ、全学共通科目を「麗澤スタンダード科目」として体系的に再整備している。内容は(1)グローバル教育(2)道徳教育(3)データサイエンス教育(4)キャリア教育の四つのコア科目群で構成され、「グローバル社会を生き抜くグローバル力」「専門的な知識とともに道徳性を併せ持つ人間力」「AI・デジタル社会を生き抜く情報力・技術力」「学び続けるキャリア力」の育成を目指す。


 併せて、今回の教育改革では本格稼働に先駆け、2022年度4月から100分授業とクオーター制度を導入した。アクティブ・ラーニング等による教育手法の構造改革を行うことで、全ての学生が主体的な学修で学びの楽しさを体感し、興味・関心を深める教育を提供する。


 「麗澤スタンダード」の学びは「EdTech(Ed:教育、Tech:テクノロジー)」で統計分析しながら運用する。2021年11月には「EdTech研究センター」を設置した。テクノロジーの進化に対応する教育システムの構築と、EdTech研究を推進する研究拠点となることを目指す。大学での成長と社会で自分らしく活躍するための可能性を最大化することを、同大学のEdTechの目的とし、学生自身の目標に向けて習得した知識やスキル、プロジェクトを体験した結果がデータで蓄積される「学びのマップ」、学びをガイドするための「AIメンター」などの導入を構想している。


 設置構想中の工学部では、データに基づく個別教育を徹底し、社会課題を解決できる人材の育成を徹底する。情報システム工学、社会ロボティクス工学の二つの専攻を設ける。経営学部は第4次産業の台頭や少子高齢化社会で社会・ビジネス課題を解決する新しいビジネスと企業価値を創出できる人材の輩出を目指す。


 2022年3月23日に同大学キャンパス内で開かれた記者発表会で、同大学の徳永澄憲学長は「本学は小規模である強みを生かしながら、文・理融合の総合大学へと変わる。変化を恐れず進化する大学へとまい進していく」と意欲を示した。


 渡邊信副学長(教育担当)は「麗澤スタンダードを通じて、全ての学生が共通した知の基盤を身に付けることができるようになり、これを土台として専門分野、将来の職業分野で多様に花が咲くよう教育内容のさらなる充実を図る」と述べた。


 小塩篤史EdTech研究センター長は「大学生の学びを横断的に支援できるシステムやアプリケーションを用いて、データ解析と組み合わせ、学生のためになる教育を追求する」との考えを示した。


左から小塩センター長、徳永学長、渡邊副学長


麗澤大学キャンパス

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