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記事2001年10月23日 27号 (1面) 
留学生は過去最高 前年に比べ23%増
大学院、大学、短大、高専、専修学校への留学
受け入れ環境整備が背景に
中国人留学生が半数以上 (文科省調べ)
 文部科学省はこのほど、今年五月一日現在でわが国の大学院、大学(学部)、短大、高専、専修学校(専門課程)等に在籍する留学生数を公表した。それによると平成十三年の留学生総数は七万八千八百十二人で過去最高を記録、前年と比べて一万四千八百一人、率にして二三・一%も増えていることなどが明らかになった。留学生が急増した背景について、同省の留学生課は、(1)わが国の留学生に対する奨学金が年々増えてきた(2)大学でも英語による授業の実施など留学生に対する取り組みが充実、外国の大学との単位互換、宿舎や留学生センターの整備などが進んできた(3)一時期落ち込んでいた東南アジア主要国の経済が回復してきたことが原因と分析している。

 
留学生七万八千八百十二人の学種別の内訳は、大学院生二万五千百四十六人(前年比六・六%増)、大学学部三万五千二百二十二人(同二六・〇%増)、短大三千七百七十四人(同八一・七%増)、高専五百六人(同一四・一%減)、専修学校一万二千三百二十四人(同三九・八%増)、準備教育千八百四十人(同八四・二%増)。
 出身国別では、(1)中国からの留学生が四万四千十四人で圧倒的に多く、全体の五五・八%を占めている。しかも前年に比べ三六・三%という急増ぶり。次いで(2)韓国(一万四千七百二十五人)が大きく水をあけられて第二位。その次には(3)台湾(4)マレーシア(5)タイと続く。一位から四位までは前年と順位に変動はないが、タイは前年の六位から五位に上がった。
 留学生全体のうち五千八百三十四人(七・四%)は短期留学生。
 国公私別の留学生数は、国立学校が二万五千三百十四人、公立学校が二千三百六十七人、私立学校が五万千百三十一人で、それぞれ全体の三二・一%、三・○%、六四・九%という構成比。私立学校における留学生数は前年に比べ三四・五%と国公立の伸びを大きく上回る増加だ。
 専攻分野別では(1)社会科学分野が全体の三〇・五%を占め第一位、次いで(2)人文科学(3)工学(4)医歯薬等(5)教員養成等(6)農学(7)芸術(8)家政(9)理学などの順。
 留学生七万八千八百十二人のうち、公的な宿舎に入居している留学生は二万三千二百二十八人で全体の二九・五%。公的宿舎に入居した留学生は前年に比べて二千六百四十五人増えたものの、留学生全体が大幅に増えたため、公的宿舎に入居した留学生の割合は前年よりわずかに低下した。
 公的宿舎のうち五四・三%は、国公私立大学等が設置する留学生宿舎、二八・二%が公益法人等が設置する留学生宿舎、一七・五%が学校が設置する一般学生寮。残りの留学生、つまり留学生全体の七〇・五%は民間宿舎、アパート等に入居している。
 留学生を受け入れている大学では、(1)東京大学が最も多く(千九百八十二人)、次いで(2)早稲田大学(千二百三十四人)、(3)京都大学(千百二十三人)、(4)名古屋大学(千八十六人)、(5)城西国際大学(千四十九人)、(6)筑波大学(千百十一人)、(7)大阪大学(九百三十六人)、(8)九州大学(八百七十三人)、(9)東北大学(八百六十五人)、(10)拓殖大学(八百二十八人)といった状況だ。



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