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記事2001年3月3日 6号 (1面) 
中教審総会 諮問事項たたき台提示
3月中に各分科会が発足
教養教育、教免制度など
 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の第二回総会が二月二十八日、東京・港区内のホテルで開かれ、教養教育を中心に今後の教育のあり方を討議した。また文部科学省の事務当局より四月以降に大臣から諮問される事項のたたき台となる「中央教育審議会の今後の検討課題案」が、また「中央教育審議会の今後の進め方案」が提示された。
 この日、示された検討課題案は八項目。このうち「新しい時代における教養教育のあり方」「奉仕活動の充実方策」「教員免許制度のあり方」「教育基本法の見直し、教育基本計画」「高等教育の国際競争力の更なる強化方策等」「子どもの体力向上方策」の六項目は、諮問事項のたたき台であること、また「新しいタイプの学校」「年齢と共に学年進行する方式の見直し」の二項目は、今後、同省の事務当局で検討し、適当な時期に中教審に意見を求めたい事項とした。このうち「新しい教養教育のあり方」については、旧中教審が積み残した課題で、教養教育の視点から教育改革の成果を検証し、今後の課題を検討する。またいつ、どのように教養教育を行うかの具体的方策も検討する。「奉仕活動の充実方策」は満十八歳後の青年の奉仕活動の社会的な仕組みなどを考える。「教員免許制度のあり方」は、学校種や教科の枠を越えた教員免許の弾力化・総合化等や、免許更新制の可能性を検討する。「子どもの体力向上方策」は、最近の体力低下を踏まえてスポーツ、健康教育、自然体験活動等を通じた総合的な体力向上方策を探る。これら四項目は、十三年度中に答申、取りまとめを行う。「高等教育の国際競争力の更なる強化方策等」は、法科大学院を含むプロフェッショナル・スクールの整備のあり方、これに関連して専門職学位のあり方等を検討する。また主体的・機動的対応を可能とする設置認可制度や大学評価システムの改善方策などを検討する。専門学校を含めた高等教育機関における専門職業教育のあり方、これを踏まえた短大、高専等の位置付けを考える。学部の修業年限のあり方も検討する。これらの事項に関しては、議論が熟したものから逐次報告・答申する。「教育基本法の見直し、教育振興基本計画」に関しては取りまとめの時期は示されていない。
 一方、「新しいタイプの学校」「年齢と共に学年進行する方式の見直し」に関しては十三年度中に議論するとしており、年齢に応じて進級・進学する方式については、理解や習熟の程度に応じた個別指導やグループ別指導、年齢にかかわりなく本人の能力に応じて柔軟に進級・進学する履修方式などを検討する。中教審内の五分科会はいずれも三月中に発足する予定で、四月以降の諮問に備える。
 教養教育をめぐっては、高齢者に自らの体験などを学校で語ってもらう、留学体験が人を育てる、文科と理科の融合が必要だ、などの意見が出された。

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