こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2001年3月3日号二ュース >> VIEW

記事2001年3月3日 6号 (1面) 
短大の経費削減の取り組み
日短協調査
徹底節約、人件費抑制
収益事業の拡大、新設で収入増
 少子化などの影響で各学校法人とも納付金による大幅な収入増が見込めない中、経費削減の取り組みが迫られているが、短期大学法人の約六割が徹底した節約を、また、約五割が人件費の抑制を行っていることが、日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)の調査で明らかになった。人件費抑制の具体的方法としては、ベースアップの抑制や賞与削減(見直し)などが目立つ。
 調査は昨年、短期大学を設置する四百五十一法人を対象に実施。うち三百五十五法人から回答を得た。調査結果によると(複数回答可)、経費節減の取り組みとして、徹底した節約を行っているのが二百三十法人(六四・七%)、人件費抑制が百九十三法人(五四・三%)、業務のアウトソーシングが三十七法人(七・二%)などとなっている。人件費抑制策として多く採られている方法を法人別に見ていくと、帰属収入十億円未満の法人では「賞与の削減」(六件)。十億円以上五十億円未満の法人では「手当率の引き下げ(カットおよび見直し)」(二十三件)、「早期退職者優遇制度の導入、期末手当の減額」(十五件)。五十億円以上百億未満の法人では「賞与削減(見直し)」(十四件)、「新規採用の抑制」(七件)。百億円以上の法人では「早期退職金支給制度または選択定年制の導入」(九件)、「ベースアップの抑制」(六件)が多かった。
 収入増加の対策としては、学費の値上げを実施した法人が百十法人(三一・〇%)あったものの、そのうちの七六・四%までが一〜五%の値上げ幅で、学生への負担をなるべく小さくしようという配慮がうかがえる。このほかに収入増加の対策としては、帰属収入五十億円以上の規模の大きな法人で、収益事業の拡大および新設を挙げた法人が九法人と、ほかに比べ多かったほか、経常費補助金特別補助の積極的な申請、受託事業収入の拡大、寄付金収入の増大など。
 現在、収益事業を行っているという法人にその内容を尋ねたところ、物品販売と不動産貸付が多かった。不動産貸付は具体的には室内温水プール施設の賃貸、食堂貸与、駐車場業などとなっているが、十億円以上五十億円未満の法人で十三法人が実施。五十億円以上百億円未満の法人でも十三法人が、百億円以上の法人では十一法人がそれぞれ不動産貸付を手掛けているという結果だった。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞