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記事2001年9月13日 23号 (2面) 
日私小連全国教頭研修会
“建学の精神大切に” 梶田氏が講演で力説


 日本私立小学校連合会(長谷川良昭会長=大乗淑徳学園理事長)は八月二十二、二十三の両日、横浜市港北区の新横浜プリンスホテルで第二十五回全国教頭研修会を開き、「21世紀における私学教育の実践」をテーマに講演などを行った。初日は梶田叡一・京都ノートルダム女子大学長の講演「教育改革の動向と私立学校の使命」、二日目は河端秀朗・カリタス小学校教頭の提案「総合学習の意義と『学力』」が行われた。
 研修会には約六十人が参加。開会式では長谷川会長の代理として佐々木道彦副会長(精華小学校長)が「学校運営の中枢は教頭先生であり、この研修も重要だ。私立小学校の情報交換の場は少ないので、運営上の悩みを相談し合ってほしい」とあいさつした。
 講演した梶田学長は、昨年の教育改革国民会議での議論や、今年六月までに成立した教育改革関連法などを引き合いに「少子化で学校間の競争は激しくなり、個々の学校の努力が重要だ。その頑張りはストレートに結果に出る。私立小学校は不易と流行を見極め、特に不易では建学の精神を大切にしながら、とかく抽象的な表現を具体化していくことが大切だ」と語った。
 新学習指導要領については、「教科」にも「領域」にも属さない「総合的な学習の時間」が設けられたため教師に戸惑いがあり、実践事例にも安易なものがあるとした上で、「児童が単に体験しただけ、あるいは授業内容をよく理解しただけでは総合にならない。学んだことが自分の生き方とどうかかわってくるかを考えて課題意識を持ち、『生きる力』に結びつくことが重要になる」と語った。
 質疑応答では参加者からの発言で、指導要録の所見欄の記入に際して、児童に配慮するあまり、厳しい評価は控えがちになるという実情が指摘された。
 意見を求められた梶田学長は「いいことばかり書いてあるのでは信用されないだろう。子供の人権を傷つける表現があってはならないのは当然だが、課題があっても書かずにほめるだけでは、かえって子供の人権を軽んじることになる」と助言した。

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