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記事2002年1月3日 号 (17面) 
宮崎と茨城の両県が私学振興大会
教育費の父母負担 公私格差是正が急務
 

宮崎県私立中高校父母連
助成制度の一層拡充
教育費を必要経費に認定を


 宮崎県私立中学高等学校父母の会連合会(竹尾明会長)は昨年十二月一日、宮崎県・宮崎市の宮崎県立芸術劇場で第二十一回宮崎県私学振興大会二十一世紀を担う私学教育(宮崎県私立中学高等学校協会、宮崎県教育委員会など後援)を実施した。当日は千二百人の保護者や教職員らが集まった。
 竹尾会長は教育費の父母負担の公私間格差は私立が公立の五・八倍となっていることに触れ、「国会議員の方々の協力を得ながら、経常費補助の増額に向けて努力する」とあいさつした。
 久保武司・宮崎県私立中学高等学校協会長(久保学園理事長)は「少子化、長引く不況、公私立の学校納付金の格差がある現状では、私学は公教育を担っているという自負心を捨てなければならない状況にある。国会議員の方々にぜひ力をお借りしたい」と支援を訴えた。
 これに対して、鈴木良一・宮崎県副知事は松形祐尭・宮崎県知事の祝辞を代読し、「教育環境の整備に積極的に取り組んでいく」とあいさつした。
 続いて、緒嶋雅晃・宮崎県議会議長は「議会としても私学振興に努め、個性豊かなたくましい人材の育成に全力で取り組む」と祝辞を述べた。
 池田隆・全国私学父母の会長は「私学振興と教育費格差是正という初心を確認しよう」と訴えた。
 大会では「私立学校の健全な発展と教育条件の公私立間格差の是正を図るため、私立中学校および私立高校への助成制度の一層の充実・強化を図ること」「公私間の学納金の格差に相当する教育費を必要経費として認定するよう税制上の措置を図ること」「公私共存の原則に立った生徒確保対策を推進するとともにそのための諸施策の確立を図ること」を決議した。
 また、医師の谷口二郎氏が「出来る子、出来ない子」と題して講演、この中で「父親、母親、子供の三角形関係が重要だ」と指摘した。


茨城県私学
特色ある教育で貢献
青少年の育成が最重要課題


 第五回茨城県私学振興大会教育は私学からが昨年十一月三十日、茨城県・水戸市の水戸市民会館で私学へ子供を通わせている保護者と教職員ら千人を集めて開催された。
 主催は茨城県短期大学協会(滝田薫会長)、茨城県私学協会(鈴木洋一会長)、茨城県私立幼稚園連合会(香取秀統会長)および、茨城県専修学校各種学校連合会(八文字敏宏会長)で組織する茨城県私学連合会(鈴木洋一会長=水戸女子高校名誉校長)。後援は茨城県、茨城県私立中学高等学校父母の会連絡協議会など。
 主催者を代表して鈴木会長はあいさつの中で、少子化をはじめ深刻な経済不況は私学経営を困難なものとしているが、新しい時代に対応した、青少年の育成が最重要課題だと指摘、「茨城私学は青少年の育成の推進にまい進する」と力強く述べた。
 来賓の祝辞として角田芳夫・茨城県副知事は、私立学校は建学の精神と伝統に基づいた特色ある教育を行い、人格形成の上で同県の教育の向上に大きく貢献していると述べ、「本県としてもできる限りの支援をしていく」と同県私学への協力を強調した。
 大会では、「建学精神に基づいた私学教育の精華発揚に一層努め、新しい時代に対応した特色ある教育の展開をもって県民の期待に応えるよう総力を傾注する」「私立学校経営の一層の健全化と父母負担の軽減を図るために、私立学校振興助成法の目的に沿った私学助成の拡充を要望する」の二点を決議した。
 また、知事感謝状の贈呈も行われ、私立学校の教職員九十六人が受賞した。大会では常総学院高校吹奏楽部の演奏も行われ、大会に華を添えた。ペリのファンファーレなど五曲が演奏された。

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