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記事2002年11月23日 1872号 (2面) 
学位分野の分類案審議 文科省案に委員から異論
中教審将来構想部会
中央教育審議会大学分科会は十一月十三日、東京・虎ノ門の文部科学省分館(旧国立教育会館)で第十四回将来構想部会を開いた。中教審は八月に高等教育関係の三つの答申を発表したが、これらを受けた学校教育法の改正案などについて審議。また、学位の分野の分類案が文科省から提起され、これについても話し合ったが、出席した委員からはこの分類案に異論を唱える声が多く出た。
 今国会には学校教育法の一部を改正する法律案が上程されているが、この改正案の文言をめぐって議論が行われた。同法六十九条の三の(2)では、認証評価機関による評価の義務づけが定められているが、認証評価機関が存在しない場合はこの限りではない、とされている。この点について委員から「認証評価機関が存在しない場合はありえない」との指摘があったが、文科省側は「理念的にはあり得るということで、規程上置くべきだというのが内閣法制局の見解だ」と説明した。また、認証評価機関による第三者評価制度導入の施行期日は十六年四月一日からとされているが、具体的な認証業務の時期についても委員から質問が出された。文科省は各機関から申請を受け付け、業務を行うのも十六年四月一日からだが、認証評価基準の細目を定める作業はそれ以前に行わなければならない、と答えた。
 八月の答申では、今後、学部などを設置するに当たっては、既存の学部などが授与する学位の対象とする分野とは異なる範疇のものか否かによって認可か届け出かが分かれるとし、その具体的な分類については「新しい分野の発展に配慮しつつ、更に検討を進める」こととされた。
 この日、文科省から提起された学位分野の大くくりの分類案は二つ。案の一が大学設置・学校法人審議会専門委員会の分野をベースとした案で、文学、教育学・保育など二十の学位分野に分けており、具体的例として、経済学部を設置している大学が新たに経営学部を設置する場合などは届け出で足りるとしている。案の二はこの案の一をベースとして大くくりに修正した案であり、人文科学、社会科学など十四の学位分野に分け、法学部を設置している大学が経済学部を設置する場合などを届け出で足りるとしている。この二つの案とも委員から異論が出た。「答申の趣旨から大きく踏み出している」「これまでの設置認可の在り方を抜本的に変えてしまうことになる。カリキュラムの中身も届け出で済むとなると私学関係者は困るのではないか」など、再考を求める声が相次いだ。
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