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記事2002年12月23日 1876号 (2面) 
30周年記念フォーラム カナダの学長招き講演
大学短大実務教育協
 全国大学・短期大学実務教育協会(和野内崇弘会長=札幌国際大学理事長・学長)は十二月十日、東京・市ヶ谷の私学会館で「創立三十周年記念フォーラム」を開催した。同協会加盟校の八〇%余りを短期大学が占めるため、その振興策を探ろうと、カナダのユニバーシティカレッジの学長二人を招き、特にブリティッシュ・コロンビア州を中心としたカレッジおよびユニバーシティカレッジの現状と課題についての報告を受けた。
 フォーラム開催に当たって和野内会長は「日本の高等教育制度は硬直的で魅力に欠ける。カナダの柔軟で多様性に富んだ教育制度に学びたい」とあいさつした。カナダからフォーラムに出席したのは、リチャード・ジョンストン・マラスピーナ大学長とロジャー・バーンスリー・カリブー大学長の二氏。ジョンストン学長は同大学が職業教育学校として設立された経緯や、百以上のプログラム、二十の違う学位が取得できること、実務教育に重点を置いているといった特色、ヴィクトリア大学と提携し、ディグリーを学生に付与していることなどを報告。グローバルな市場経済の変化の中でいくつもの課題に直面しているとし、その一つとして、労働力の高齢化とサービス産業への産業構造の転換を指摘。労働者のスキルアップのための教育が求められているとした。また、国際教育でもさまざまな成果を上げており、留学生の受け入れは大学財政の面でプラスとなっているとした。BC州には五校のユニバーシティカレッジがあるが、いずれも中等後教育の質を高めたと総括を行った。

学習者中心主義が特徴

 バーンスリー学長は新しい経済環境の中でユニバーシティカレッジにおける理論と実践が融合した教育は好都合であると指摘。
 同大学がユニバーシティカレッジとして具現することを目指している指針として、▽総合的なプログラム▽学習者中心主義▽アクセスが容易であること▽地域社会との密接な関係を挙げた。同大学では五十のサーティフィケート・プログラム、二十五のディプロマ・プログラム、十二の学士号、四十の専門科目があり、包括的な形での総合教育を行っており、これらを相互に関連付け、ラダリングを自由に行っていると報告した。
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