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記事2002年2月13日 号 (7面) 
新校長インタビュー (45) ―― 中央大学杉並高等学校
校長 坂口 修平氏
学校週5日制を導入
土曜日は高大一貫教育の活用


 中央大学杉並高等学校(阪口修平校長、東京都杉並区)は平成十四年度から学校週五日制を導入し、十五年度から新カリキュラムを実施する。学校週五日制については、学力低下をきたさないように、あらゆる可能性を探った。
 「できるだけ授業時間数を減らさない方針で、一年以上かけて検討してきた結果、授業日数は減りますが、授業時間数はむしろ増えました」(阪口校長)
 結果的には年間で一年生は四時間、二年生は二十五時間、三年生は六十六時間増やすことに成功した。
 まず、学校行事を必要なものは充実させ、ほかは整理・統合しスリム化を図った。
 そして、中間テストを廃止し、その代わりに実力テストを導入、三回の期末テストと実力テストの二本立てにした。また、三年生は従来一月で授業を終えていたが、二月まで延長した。
 「三学期は推薦が決まっている三年生に、より興味・関心のある授業で大学への橋渡し的な内容にしました」
 さらに夏休みなどの長期休暇を短くした。そして、土曜日を有効に活用し、通常の日に行われていた学校行事や会議を土曜日に集中させた。
 「土曜日に学校行事があっても、月曜日を振替休日としないことにしました」
 土曜日の有効活用については、(1)高大一貫教育の活用(2)科目等履修制度の活用(3)補講と補習の実施(4)歌舞伎や演劇などの文化・芸術鑑賞(5)海外研修の事前指導―等を決めている。
 「中央大学もさまざまな可能性を探り、充実させようと努力しています。大学をよくするには、まず付属高校の教育を充実させることが必要です。本校から中央大学へほぼ一〇〇%進学することを考えると、高大一貫教育のメリットを生かし、中央大学の教授に依頼し、本校で特別講座、ブリッジ講義、連続講義を行ってもらうのは大変有効であります」
 なかでも連続講義で行われている「簿記講座」では、講座を修了した三年生百五十人ほどが簿記三級に挑戦する。また同校が特に力を注いでいるのは、国際理解教育の一貫として実施している、韓国の中山外国語高校との交流だ。しかし、昨年日本での研修が突然中止になった。今年になって相手校から招待状が届き、加えて二百を超える生徒の署名と熱意によって中山高校での研修が実現する。
 阪口校長は「きめ細かい配慮をし、長い目で見て、生徒たちに真の学力をつけるようにしなければなりません」と語る。
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