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記事2002年3月13日 号 (2面) 
“感性豊かな人間”研究目標に
全国私学研究集会を11月に宮崎で
中坊公平氏が記念講演
学校経営、教育課程、情報教育など8部会
 今年で五十回目となる全国私学教育研究集会が十一月六日から三日間、宮崎市内の宮崎観光ホテル、ホテルプラザ宮崎を主会場に開催される。研究集会には全国から私立中学・高校の理事長、校長、教員ら約八百人が参加する。この研修会は財団法人私学研修福祉会が主催し、九州地区私立中学高等学校協議会、宮崎県私立中学高等学校協会が実施、日本私立中学高等学校連合会、宮崎県、宮崎市が後援、財団法人日本私学教育研究所が協力するもの。今年の研究目標は「感性豊かな人間を育てる私学教育」で、初日は午後一時半から全体集会(開会式、講演、アトラクション)。記念講演の講師は弁護士の中坊公平氏で講演のテーマは「生きること、学ぶこと」。

 中坊氏は、日本弁護士連合会長を務めた後、豊島産業廃棄物事件住民側弁護団長、整理回収機構社長などを歴任、現代社会の抱える問題に真正面から取り組んできた。また最近では政府の審議会委員として警察制度の見直しや司法制度改革等多方面で活躍している。
 二日目から三日目の昼までは部会での研究協議で、今年は、(1)学校経営(研究目標=新時代の視点からみた私学経営)(2)教育課程(私学の独自性を発揮する教育課程の実践)(3)生徒指導(心豊かな人間を育む生徒指導)(4)情報教育(ITと情報教育への実践活動)(5)福祉教育(人間らしい生き方を探る福祉教育)(6)総合学習(私学の独自性を生かす総合学習)(7)国際理解教育(二十一世紀に活躍できる国際人を育てる教育)(8)地域社会との連携(地域に開かれた私学教育)の八部会が開かれる。各部会の概要は次の通り。

 (学校経営)田村哲夫・渋谷教育学園理事長が「教育の自由化時代における私学の優位性」と題して講演するほか、グレゴリー・クラーク多摩大学名誉学長が「世界の教育事情」について講演する。疋田順一・岩田中学高校長が「学校づくりの実践」で研究発表するほかに見学研修も。

 (教育課程)佐藤早苗・朋優学院高校理事長・校長が「教育課程の編成のありかた」をテーマに講演する。また九州地区の三校の校長らが「豊かな心をはぐくむ教育・礼法指導」「基礎・基本の定着を図り、感性を育てる学習指導のあり方」「教育課程編成の実際」のテーマで研究発表を行う。最終日には小池俊夫・日本私学教育研究所研究部長が「教育課程編成と実施上の諸問題」について講演する。

 (生徒指導)藤井昭義・大分大学講師が「これからの私学における生徒指導のあり方」で講演するほか、四校の教諭らが「部活動を通して自立の心を育てる」「基本的生活習慣を育成する」「ボランティア活動を通して心豊かな人間を育てる」「カウンセリングを通して自立の心を育てる」のテーマで研究発表する。

 (情報教育)新地辰朗・宮崎大学助教授が「宮崎における情報教育の進展と展望」についての講演、また二高校がCG教育や教科「情報」の取り組みについて研究発表する。このほか日章学園高校の国際交流に活用したIT教育の公開授業、宮崎県工業技術センター等の見学研修も。

 (福祉教育)薄井坦子・宮崎県立看護大学長が「ボランティア・スピリットの根底にあるもの」と題して講演するほか、三高校が「学習意欲の喚起となった体験学習」「本校の国家試験対策について」「主体的に社会ニーズに応える介護専門職の育成を目指して」のテーマで研究発表する。宮崎県立看護大学等も見学する。

 (総合学習)水口洋・玉川聖学院中等部・高等部教頭が「私学の独自性を生かす総合学習」の演題で講演、三高校が総合学習の取り組みを研究発表する。最終日は「私学の独自性をどのように生かすか」をテーマにパネルディスカッションが開かれる。

 (国際理解教育)多田孝志・目白大学教授が「地球時代の学び、その考え方・進め方」について講演、そのほかインドに関する講演も。また三高校が「夢を大きく!育てる」「イギリス語学・文化研修について」「本校国際科の歩みを通して」のテーマで研究発表する。最終日は「二十一世紀に活躍できる国際人とは」をテーマにしたパネルディスカッションが行われる。

 (地域社会との連携)宮浦直・小村記念館長が小村寿太郎の生涯について講演、高田勲・逗子開成高校長が「地域との交流を求めて」のテーマで講演する。小村寿太郎は日英同盟を結び、ポーツマス条約に調印した明治時代の宮崎県出身の外務大臣。
 そのほか二校が「地域に根ざした本校教育の実践」「学校教育は地域にどうかかわらなければならないか」のテーマで研究発表する。
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