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全私学新聞

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記事2002年3月13日 号 (1面) 
私学の位置付け明確化を
全私連が基本法、基本計画審議に意見書 中教審に提出
私学の役割視野に教育投資
公的支援検討を


 中央教育審議会の基本問題部会を舞台に「教育振興基本計画」策定と「教育基本法」見直しの議論が二月八日から始まっているが、全私学連合(代表=奥島孝康・早稲田大学総長)は、三月五日、文部科学省の生涯学習政策局政策課を通じて同審議会に対して、教育振興基本計画と教育基本法の審議に当たっては、私立学校の位置づけを明確にすることなどを求めた意見書を提出した。このうち教育振興基本計画は、これからの教育の目標や教育改革の基本的方向性、政策目標、具体的施策、必要な教育投資などを定める政府の基本計画となるもので、十年後を想定し、今後五年間に実施すべき施策が盛り込まれる予定。(3面に意見書)

 意見書の中では、これからの教育は、国立・公立・私立の学校それぞれがお互いに切磋琢磨しつつ日本の将来を担う人材の育成に励んでこそ、我が国の将来の発展に大きく寄与できるものと確信するとして、今後の中・長期的な教育の目標や教育改革の基本的方向を示すことと並行して、新時代の教育を担うべき私立学校の役割等も十分視野に入れた施策や必要な教育投資のあり方、国、地方公共団体の役割等を明らかにするよう求めている。
 具体的には(1)我が国の学校教育制度の中における私立学校の重要な役割を踏まえた、私立学校の位置づけを明確にすること、(2)上記(1)を踏まえた、国・地方公共団体における公財政支出及び税制の在り方等、公的支援の在り方を再検討すること、(3)次の各分野における検討課題に十分留意した上、検討審議を進められること、を要望している。
 このうち幼児教育に関しては、(1)公立幼稚園の民営化を検討する、(2)幼稚園の新しい機能として近年付加された、預かり保育・地域の子育てセンターとしての役割に対する制度を整える、(3)子育てを通して親が人として成長していくことを支援する体制を整備する、(4)教員のインターン制の検討を要望している。
 初等中等教育は、(1)国立・公立・私立学校間の教育費負担の平準化を図るべきこと、(2)地方教育行財政に対する国の調整及び指導を求めている。
 高等教育に関しては、(1)高等教育振興策における私立大学の総合的振興方策、具体的には▽総合計画(グランドデザイン)の策定▽公正な競争条件の構築▽今後の教育行政の在り方=大学設置基準の内容を必要最小限の形式水準まで緩和し、高等教育機関としての質は評価制度で担保する▽第三者評価の在り方=教育・研究の質と評価の多様性を担保するためにも機関評価やプログラム評価など複数の民間機関が必要で、国の機関による一元的な評価は新たな規制を生む、(2)私立短期大学振興策の確立、(3)私立高等専門学校振興策の確立を要望している。
 中教審の基本問題部会では、教育基本法に先行して教育振興基本計画の在り方が話し合われており、これまでに二回の審議が行われており、目下、教育の目標等が検討されている。
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