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記事2002年4月13日 号 (8面) 
ユニーク教育 (106) ―― 園田学園中学校・高等学校
教育内容の改革
生活、国際、情報キーワードに改革
海外研修で英語力を


 園田学園中学校・高等学校(松尾匡躬校長、兵庫県尼崎市)は二十一世紀を迎えて、新しい時代を生きる力の養成を目指して、「生活」「国際」「情報」をキーワードに教育内容の大幅な改革に取り組んでいる。
 平成十三年度から中高一貫教育カリキュラムを実施、さらに高校普通科の中に「総合」「生活情報」「国際教養」の三つのコースを開設し、生徒一人ひとりの個性をより発揮できるようにした。
 「総合」コースは、生徒の希望者はあらゆる進路に対応するためのもので、一年生は基本的な学習を行い、すべての生徒が同じ内容を学ぶ。二、三年生はそれぞれが自分の希望に合わせて科目を選択し、学習する。希望進路によって、例えば大学語学系、大学情報系、幼児教育系、食物栄養系、看護系、社会福祉系、就職に対応できるように選択科目が用意されている。また、併設の園田学園女子大学・短大に進学を希望する生徒には希望する学部や学科に合わせた科目が用意され、同大学教授の授業を受けることも可能だ。
 「生活情報」コースでは、コンピュータに興味がある生徒、コンピュータを使いこなせるようになりたいと思っている生徒を対象に、身の回りのさまざまな問題を解決する方法や、自己表現の方法を学ぶ。コンピュータ実習室にはウィンドウズ、マックそれぞれ四十台ずつそろえられている。「国際教養」コースでは英語に興味がある生徒を対象にしている。毎週十時間の英語の学習では英語で歌を歌ったり、英語のゲームをしたり、独自の英語教材を使った楽しい授業を行っている。特に力を入れている、二年生で実施するニュージーランド研修では、八月から三カ月間かけて使える英語力を磨く。
 この海外研修は同学園と姉妹校のニュージーランド国立クライストチャーチ教育大学(CCE)の施設内にある「そのだクライストチャーチキャンパス」(SCC)で実施されている。ここでは学園が所有する九棟の研修宿泊施設があり、百四十室ある部屋のうち、三十室は園田学園の生徒や学生が年間を通して利用し、六十室はCCEの海外からの留学生が利用できるようになっている。
 同学園女子大学・同短期大学は中学・高校に先行して、平成五年度からSCC研修を実施しており、参加者はこれまでに五百人を超えている。SCCでは、多様な文化をもった学生たちと一緒に生活しながら学習することを目指し、研修では英語学習のほかに、独自のプログラムでニュージーランド先住民族のマオリ文化の学習、農場見学および自然体験を積んでいる。また、他国の寄宿生が参加するレクリエーションやパーティーなどを計画し、人的な交流も図っている。この研修には寮生一人ひとりが家族の一員と考えられており、お互いのプライバシーを尊重し、快適に生活できるように心掛けることなど四項目からなる「SCC基本ルール」が定められている。ニュージーランド研修に参加した多くの生徒が特に印象に残っていることとして、学校訪問、マオリ学習それに家庭訪問を挙げる。「心の変化、視野が広がった。そんな思いに気付かせてくれたのは、やっぱりニュージーランド、ニュージーランドの人々。そういった土地があり、そこにいる人たちの心遣いから得たものだった」と感想を述べている。


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