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記事2002年7月3日 号 (1面)
厳しい不況下で“勝ち組”といわれる企業は、どんな要因で優秀な成果を挙げているのか、振るわない企業との違いは何か等を探った「動け!日本 日本の優秀企業研究」の中間報告がこのほど、経済産業研究所(通商産業省所管の独立行政法人)の新原浩朗研究員によりまとめられた。私学経営とも共通する部分が多いので、その概要を報告する。 同研究はサンプル企業の抽出に当たって短期的ではなく、中長期にわたって利益率がよい時期には高く、悪い時期でもそれほど落ちない企業を選んだ。研究の結果、新原研究員は、良好な成果を挙げる企業に共通して観察できた六つの特徴を指摘した。 それは、(1)取り組む事業の範囲分からないことは分けること。 つまり成功している企業は、企業が意味のある考え、コンセプトの一つの固まりになっており、自企業のコンセプトを明快に説明でき、それが採り上げるべき事業と採り上げない事業の境界になっていた。 振るわない企業は、自企業のコンセプトについて個々に現在行っている事業を一つひとつ脈絡なく挙げるだけだった。これは一人の社長が把握できることに限界があるからで、社長が現場の実態を体験できることは極めて重要としている。 (2)論理的であること常識や他企業の成功例を無批判に受け入れるのではなく、自己についてきちんと考え、考え抜くこと。なぜそうしているかの理由が突き詰められていることが重要で、振るわない企業はコンサルタントの意見を鵜呑みにしたり同業者のまねをすることが多かった。 (3)傍流の意味自社を客観的に眺め不合理な点を見つけられること。 つまり企業の出世コースを順調に歩んできた人よりは、周辺部分やとんでもないところで働いていた人が本社の中枢に戻り抜本的改革で成功する例が多く見られた。客観的に自社を眺め、不合理な点がよく見えたため。 (4)危機を好機に転化すること。 つまり追い詰められたときこそ、新しい方向性を見いだしているケースが多かった。 その際、あらかじめ常に社内に危機感を植えつける文化を持っていることが重要。 (5)身の丈にあった成長を図り、事業のリスクを直視すること。生み出すキャッシュフローの範囲内で、身の丈にあった事業展開が重要。 (6)経営者が持続性のある規律の文化を企業に埋め込んでいた。 |
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