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記事2002年9月3日 1857号 (2面) 
期待高まる食の高度専門職
フードスペシャリスト養成課程研究会 日本フードスペシャリスト協
食品の官舶]価、鑑別テーマに
食品流通の現場の経験基に講演
 日本フードスペシャリスト協会(田村真八郎会長=元農林水産省食品総合研究所長)は八月二十二、二十三の両日、東京・駒込の女子栄養大学駒込キャンパスで「第三回フードスペシャリスト養成課程研修会」を開催した。養成課程を設置する大学・短期大学から約百人の教員らが参加した。今回の研修会は食品の官能評価・鑑別をテーマとし、食品流通の現場で活躍してきた講師がその経験を踏まえ講演したほか、実習ではテーブルコーディネートと官能検査について、女子栄養大学の取り組みが紹介された。
 初日は飯野久栄・聖徳大学教授が「食品の鑑別」と題して基調講演を行った。飯野氏は最近、食品の表示違反が社会問題になっており、その鑑別技術が重要であると指摘。
 食品の鑑別の事例として、物理的方法による鑑別、化学的方法による検査・鑑別、官能検査による検査・鑑別のそれぞれを紹介した。物理的方法による鑑別は、何らかの物理的エネルギーを加え、検体からの応答で検査や鑑定を行う方法であり、その例として、紫外線、可視光線、近赤外線などの光エネルギー、打音・振動、形状による検査・鑑別を挙げた。化学的方法による検査・鑑別は食品の成分を分析して品質や品種を検査、鑑定するものであり、イオンクロマトグラフィーや電子線マイクロアナライザーといった分析機器を使った方法と、K―値やDNAなど成分分析による方法があると述べた。三番目の官能検査による検査・鑑別は、食品会社、レストラン・スーパーマーケットといったフードスペシャリストの活躍が期待されている職種で、メニュー開発や新製品の開発に際して行われているとした。
 玉木茂子・株式会社フードマーケティング代表取締役はチーズについて講演。牛乳や山羊乳などに乳酸菌・酵素などを加え、自然に熟成させたナチュラルチーズと、原料用ナチュラルチーズを加熱・加工して作ったプロセスチーズとの違いに始まって、ナチュラルチーズの製法と豊富な種類、買い方、選び方、保存の仕方などを話した。玉木氏はチーズは良質のたん白質やカルシウム、ビタミンA、B2、Dなどを含み、ほぼ完全食品といえるものであり、食生活の中にもっとチーズを採り入れることによって、骨粗鬆症の予防やカルシウム不足を補うことができると強調した。
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