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記事2003年10月3日 1906号 (7面) 
新校長インタビュー (86) ―― 洗足学園第一高校
校長 杉岡 保宗氏
理想は高く実行は身近から
思考力、実行力に富む女性


  洗足学園第一高校(杉岡保宗校長、東京都目黒区)は来年創立八十周年を迎える。
 「私学は受け身ではなく、学校の良さを積極的にアピールし明確にし、どうしたら子供が入りたくなるような学校になるのかをしっかり考えておかなければならない。理想ではなく、現実的に子供や保護者に跳ね返るものが必要です」と、杉岡校長は八十周年を迎えるに当たって意欲的だ。
 同校は「理想高遠」「実行卑近」(理想は高く、実行は身近なところから)を教育の理念に掲げている。この理念の下に、杉岡校長は「単なる知識の丸暗記ではなく、基礎力の上に、その基礎的な知識を利用して生じる思考力・判断力・実行力の豊かな女性を育てる」ことを強調する。
 「そのためには、授業では、なぜだろう、どうしてだろうという疑問を持ち、自分で解決していくという姿勢を身につけさせるようにしています」
 この方針は生徒にも浸透している。「答えの丸暗記ではなく、どのように考えればよいかを教えてくれるので、勉強が苦にならなくなった」と感じている生徒も多いという。
 「教育は一人の熱心なスーパースターの先生によって行うのではなく、全教職員がこういう子供を育てようという気持ちで、一丸となって困難に当たり、指導を行っていくことが重要です。狙うところが同じであれば、個々の生徒にどのように対応するかがそれぞれの個性です」
 授業中の教え方が丁寧で分かりやすく、生徒は質問もしやすくなった。面倒見の良さが同校の特徴だ。
 生徒指導にはあまり手がかからないという。明るくて、楽しい校風は生徒と生徒、生徒と教師との間との明るい雰囲気が漂っているからだ。
 「明るく、前向きに生きることと豊かな思考力は自分への信頼として、人生での大きな支えとなります」
 同校では英語教育を柱とした新しい教育システムを導入し、分かる授業をモットーに行い、大幅な単位数増大の導入、少人数制の授業の実施、五人の外国人講師の採用など、語学力増強に積極的に取り組んでいる。一方「英語アレルギー」をなくすため、英語の必修を減らし、選択を増やすように工夫を凝らしている。
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