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記事2003年10月3日 1906号 (2面) 
国庫補助の役割重要
予算や当面の課題で報告
文科省が都道府県私学主管会議
  文部科学省は九月二十九日、東京・千代田区の虎ノ門ホールにおいて、平成十五年度第一回都道府県私立学校主管部課長会議を開催した。これは、私学行政が当面する課題について、同省の施策や十六年度概算要求等を説明し、各都道府県への周知や協力・理解を要請する会議である。
 初めに、加茂川幸夫・高等教育局私学部長が、私学行政を取り巻く課題として、構造改革特区での措置や、学校法人制度の見直しを取り上げた。今年十月から株式会社等による学校設置申請等が可能となるが、各都道府県の私立学校主管部課に対し、県の企画担当課や市町村とも十分協議して、県下全体の教育のバランスを考え、円滑な運用を図ってほしいと要請した。また、株式会社等が設置する学校への私学助成や優遇税制については、憲法上の疑義があるとして今後も適用は困難とした。さらに、少子化等による私学経営の困難化、国立大学の法人化等を踏まえ、望ましい学校法人制度にも見直すべき点があり、現在、学校法人制度全般について改善方策の検討を進めていること、十月中にはその検討結果をまとめ、来年の通常国会への私立学校法改正案の提出に向けて準備作業を進める考えを明らかにした。
 続いて、久保公人・私学行政課長が、平成十六年度税制改正要望、構造改革特区、規制改革の推進、学校法人における労働関係の諸問題等を取り上げた。規制改革関係では、私立小・中学校の設置認可基準等の見直しの促進等を引き続き指摘されていることを述べた。また、学校法人における各種労働関係について、各労働担当部局と連携をとりながら、法に基づき適切な対応をとることを要請した。栗山雅秀・私学助成課長は、来年度の私学関係概算要求では、IT環境整備や子育て支援の予算を充実することなどを説明した。また、国庫補助がなくなれば、各都道府県の助成水準の格差は再び拡大するとして、国庫補助の重要性への理解を要請した。石井稔・参事官は、一部の学校法人に不適正な運営の実態が見られることを踏まえ、各都道府県に対し引き続き学校法人の管理運営の適正化のための指導助言を要請した。また、学校法人会計基準の見直しでは、基本金の取り扱いをどうするかが大きなポイントであること、経営困難法人については、経営分析等により支援を行うものの、国費を投入してまで延命措置を講ずることは考えていないことを強調した。
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