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記事2003年10月3日 1906号 (2面) 
特色ある大学教育支援プログラム
私大、短大関係半数以上採択
教育的努力、短大の特性など
  文部科学省は九月、新規事業「特色ある大学教育支援プログラム」に採択する取り組み八十件を発表した。
 採択された取り組みのうち、私立の大学・短期大学は合わせて四十五件と全体の半数以上を占め、私立の実績が評価される結果となった。身近な事例として改革への重要な参考となるものが多く、選定された大学・短大の特色ある活動が注目を集めている。
 国公私立別に見ると、最も多いのが私立大学二十六件、次いで国立大学二十三件、私立短大十九件。
 ただし、申請件数に占める採択率は国立大学が二四・七%、私立短大一三・九%、私立大学七・六%で、国立大学の方が高かった。
 テーマ別では「総合的取り組み」に、現地の大学等と密接に連携して優れた学部教育を行う愛知大学などが選ばれた。短大では、北星学園大学短期大学部と富山短期大学が、組織的できめ細かな教育的努力と、課題に意欲的に取り組む姿勢などで評価された。
 「教育課程の工夫改善」では、教養教育で実践的な知を獲得する早稲田大学などが選ばれた。
 短大では、学生の社会体験を多面的に展開する湘北短期大学や産能短期大学、山梨学院短期大学。語学力を中心とした総合的学習到達度を高める青山学院女子短期大学や大阪女学院短期大学。ミュージカルの制作で保育者に必要な資質を高め、地域に貢献する新潟中央短期大学、地域総合学科を推進する香蘭女子短期大学、福祉現場実習の事前指導に全学的体制で臨む龍谷大学短期大学部などが選ばれた。
 「教育方法の工夫改善」では、地域の高校と連携した取り組みの千歳科学技術大学などが高く評価された。
 「学生の学習および課外活動への支援の工夫改善」では神田外語大学の学習支援や日本福祉大学の生活支援、文化女子大学の課外活動支援などが、学生の学ぶ意欲と主体性を高めるシステムの工夫改善として、他大学の参考になると認められた。
 短大では、二年次生の主体的運営を柱に、学生同士の学び合いを重視する安田女子短期大学や、学生の学力不足と学習意欲の減退を直視して学習や生活を支援する新潟工業短期大学が、短大教育の特性を生かした教育改革であると選定された。
 「大学と地域・社会との連携の工夫改善」は、新構想による実践事例として武蔵工業大学や京都造形芸術大学、ボランティア活動に力点を置く事例として、北海道医療大学や明治学院大学などが選ばれた。
 同プログラムは大学教育の改善に役立つ取り組みから特色ある優れたものを選び、今後の高等教育の改善に活用することが目的。公開性も特徴の一つで、選定した取り組みは事例集として刊行し、他大学への参考とする。
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