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記事2003年11月23日 1916号 (7面) 
宮城と青森で私学振興大会開く
経常費の1/2補助 実現決議
  十月から十一月にかけて、各県では各県の私学団体あるいは父母連合会などが主催となって、私学振興大会が活発に開催されている。長引く経済不況のもとで、教育費父母負担の公私間格差の拡大は、子供の学校選抜の自由を狭めているのが現状だ。本号では、「経常費の二分の一助成」の実現などを決議した宮城県私学振興大会と青森県私学振興大会の模様を報告する。


【宮城県私学】
私学振興こそ急務
教育費の公私立負担格差是正


 宮城県私立小中高等学校父母連合会(飯岡智会長)と宮城県私立中学高等学校連合会(朴澤泰治会長=朴沢学園理事長)は十月十五日、宮城県・宮城県民会館で第二十六回宮城県私学振興大会を開催した。
 主催者父母側を代表して、飯岡会長は公私の役割分担があるが、同県の私学が果たしてきた役割は大きいとし「今後も私学振興のために尽くし、私立小中高校経常費の二分の一助成の実現に限りなく近づけるように努力したい」とあいさつした。主催者学校側を代表して、朴澤会長は生徒の減少期を迎え、公私の受け入れ数について全体的、長期的な議論がなされないまま公立偏重になってきているとし「本県の私学は宮城県の教育発展のために、十分役割を果たしてきている。進学、スポーツ、文化面で公立に勝るとも劣らない成績を残している。私学の役割の重要性について、一部の県民にはまだ理解されていないところがある。今後県民に大いにアピールして十分に私学の責任を果たしていきたい」と私学振興に対する意欲を示した。
 また祝辞として、浅野史郎・宮城県知事はあいさつの中で「本県では私学が大きな地位を示している。私学は建学の精神のもとに特色ある教育を進めている。県政とのバランスを取りながら(私学振興に)こたえていきたい。公私の協調、役割分担を尊重、理解し進めていきたい」と述べた。
 続いて、渡辺和喜・宮城県議会議長は「私学振興のために頑張る」とあいさつした。来賓の池田隆・全国私学父母の会長は「公私間格差は公費によって是正されるべきだ」と強調した。
 大会では「私立小・中・高等学校経常費の二分の一助成の達成を促進する」「私学に対する国庫補助制度の堅持および充実強化を推進する」「耐震・老朽等による校舎等の新増改築事業に対する助成の実現を推進する」「生徒減少期の今日、私学における安定的収容の確保を図る」、これら四点を決議した。
 また東北学院中学・高等学校の吹奏楽部が日ごろの練習の成果を披露、大会に華を添えた。


【青森県私学】
人間教育こそ私学で
教育充実と父母負担を軽減


 青森県私立高等学校父母の会連合会(倉光重会長)は十月十六日、青森市・青森市民文化ホールで第十九回青森県私学振興大会を開催(社団法人青森県私学協会など後援)した。大会スローガンは「創造性豊かな人間教育は私学でこそ」「私学教育の充実と父母負担の軽減」。
 主催者を代表して倉光会長が、私学教育の振興と父母負担の軽減の一層の実現を切望した。
 来賓として、津島雄二・衆議院議員と池田隆・全国私学父母の会長らが祝辞を述べ、同県内の私学が建学の精神のもとに常に先導的な役割を果たし、特色ある教育を展開していることを評価した。
 大会では、「私立高等学校経常費二分の一助成の早期実現を要請する」「校舎等新増改築事業に対する特別助成の早期実現を推進する」「生徒減少期に入った今日、従前以上の公私協調による安定的収容を図り、特別補助制度の創設を推進する」、以上三点を決議した。
 また記念講演として、三上広美・三上公認会計士事務所副所長が「アイ(愛)コンタクト――今の私があるのは、私を支えてくれる人達がいるから−−」と題して講演を行った。
 また、十四年度PTA会長七人に感謝状が贈られた。
 大会が始まる前には生徒発表として、青森山田中学高等学校の吹奏楽部が美空ひばりのメドレーやカッポレねぶたを演奏、大会は和やかな雰囲気で行われた。同校の活動は、一年間の活動の集大成を発表する定期演奏会「北の街コンサート」(十二月二十五日開催)など、多岐にわたっている。
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