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記事2003年11月23日 1916号 (7面) 
新校長インタビュー (90) ―― 慶應義塾女子高等学校
校長 梅岡 淳子氏
自由な中に節度を
個性尊重し、豊富な選択科目


  慶應義塾女子高等学校(東京都港区)の校長に十月一日付けで梅岡淳子氏が就任した。同校は昭和二十五年に創立され、三田の、徳川家屋敷跡にあり、閑静な環境に位置している。
 「福澤諭吉の説いた『独立自尊』の精神は本校の教育の中に生きていますが、私は人に迷惑をかけないこと、自由の中にも節度を持って学ぶことを生徒たちに教えていきたい」と梅岡校長は抱負を語る。
 その校風は生徒一人ひとりの個性を尊重し、細かな校則でしばるようなことはしない。
 「生徒たちが落ち着いて勉強できるのも、家庭の協力があるからです。保護者の方々には感謝しております」
 個性尊重の精神はカリキュラムにも表れている。
 一年生では基礎学力を重視し、二年生以降は一人ひとりの才能を伸ばすために、また大学に進学し将来の進路を考えることができるための力を育てるために、選択科目が豊富に設置されている。例えば、外国語は二年生からドイツ語、フランス語、あるいは中国語を選択で学ぶことができるように配慮されている。
 「総合的な学習の時間」では、一年が「心身の健康」、二年が「自然と文化」、三年が「自己表現と進路」の各テーマに沿って学習することになっている。学期ごとに、生徒は学習した内容をまとめて提出する。三年では各分野で活躍している卒業生を招いて、将来に役立つ話をしてもらうことも行っている。
 学校行事の多くは生徒会や実行委員会に属する生徒の自主的活動で実施されている。
 最大の行事の一つに六月に行われる「演劇会」がある。クラス全員が参加し、クラスで競い合うまさに演劇祭だ。一クラス三十分、十二クラスすべてが行う。
 「各学期ごとに大きな行事がありますが、生徒たちは熱心に取り組んでいます。そして行事が終わると、さっと勉強に気持ちを切りかえます。そのエネルギーには日々驚かされています」
 慶應義塾創立百五十周年を控え、忙しい毎日を送っている梅岡校長だが、「生徒と直接話ができなくなるのは寂しいので」と授業中でのふれあいを大切にしている。
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