平成十六年度の私学関係政府予算案が十二月二十二日の大臣折衝で決着し確定した。三位一体の改革による縮減が懸念されていた「私立高等学校等経常費助成費補助金」は、大臣折衝で五十二億七百万円増額、前年度比二十七億円(二・七%)増の千二十八億五千万円となり、一千億円の大台を維持した。しかし二十七億円の増額分のうち二十五億円が与党合意に基づく「少子化対策」となったため、これまでの私学経常費補助という意味では前年度比二億円増ともいえる。（近日号に詳報）

　平成十六年度政府予算案については、十二月二十日、財務省原案が各省庁に内示された。私学関係の内示額は、私立大学等経常費補助金が三千百六十三億千五百万円（前年度比一・七％減）、私立高等学校等経常費助成費補助金が九百七十六億四千三百万円（同二・五％減）等で、文部科学省の概算要求額はもとより前年度予算額を大きく割り込むものばかり。私学団体は同日、東京・市ヶ谷の私学会館に予算対策本部を開設、与党文教関係議員、文部科学省では河村建夫大臣を始め幹部職員を訪ねて私学関係予算の復活を要請した。今回の復活折衝では、高校以下の私学助成が大きな焦点となっていたことから、翌二十一日に開かれた自由民主党の文教合同会議でも議員の発言の大半が私学助成の復活を求めるもの。この中で保利耕輔・文教制度調査会長は、「高校以下の私学助成の減額は、自由民主党、文部科学省の私学教育に対する政策転換を意味するものだ」と予算復活への強い思いを表明。
　最終的には私立大学等、私立高校等の両経常費補助金は、大臣折衝の結果、私立大学等経常費補助金については、新規の法科大学院への支援分（二十五億円）を加え、前年度比四十五億円（一・四％）増の三千二百六十二億五千万円となった。
　来年度の私学関係政府予算案が確定した後、私学会館で開かれた予算対策本部の打ち上げでは、全私学連合の安西祐一郎代表（慶應義塾長）が「何とか年を越せる予算となった」とした上で国立大学が法人化する来年度が私学にとって正念場の年との考えを示した。