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記事2003年5月3日 1888号 (13面) 
新校長インタビュー (75) ―― 郁文館中学校・高等学校郁文館国際高等学校
校長 小林 節氏
ジェントルマンを育成
チャレンジ精神で充実


  郁文館中学・高等学校、郁文館国際高等学校(東京都文京区)の新校長に小林節氏が就任した。
 「大学の新入生を見ていると、パワーがない、好奇心がない、行儀が悪い。初等中等教育、さらには家庭の躾にも問題があります」
 小林校長の教育に対する見方は厳しい。資源の乏しい日本では、最後に日本を支える切り札は人材以外にはないはずだと言い切る小林校長は「初等中等教育にかかわることになった以上は、ジェントルマンを育てたいと思っています」と目標を語る。
 小林校長はアメリカのハーバード大学法科大学院で学者としての訓練を受け、研究をした。
 「アメリカの教育で素晴らしいと思ったのは、マイペースであることを許すところです。日本では、どこの大学を出たか、どのような国家試験を取ったかで人生が決まってしまうところがあります。しかし、人生には敗者復活戦が許されてもいいはずです」
 高校時代、不登校で苦しんだ小林校長は、頼りになるのは自分だけと気づいた。
 「人生は階段を一歩一歩上っていくようなものです。生徒たちは具体的に夢を持って、努力を積み上げていってほしい」と、努力の積みかさねの大切さを教えたいと言う。
 その第一歩として考えているのが、夏休みに行う「夢合宿」だ。教師と生徒が一緒に生活して、人生の夢の実現に向かって計画の組み立て方を教えるというものだ。
 「人生に次々とチャレンジしていく。その土台となるものを教えたい」
 郁文館中学校は明治二十二年創立された。郁文館という校名は「論語」に由来する。「郁」とは文化の高いこと、「文」とは学問・礼儀・めぐみ深い徳を意味する。郁文館学園は日本が近代国家としてスタートした時期に、世界に目を向けて新しい教育を行っていこうという思いを込めて、学問や人徳を深める学舎として創立された。
 今後、同学園は教職員一丸となっていままで以上に大学進学のための教科指導を行う方針だ。 小林校長は現在、慶應義塾大学教授として弁護士として、多忙な生活を送っているが、それでも「やりがいがある」と、疲れを見せない。
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