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記事2003年5月3日 1888号 (2面) 
認証評価機関への移行を準備
短期大学基準協会が総会
適格認定を基本に
教育の特色について診断的評価
  短期大学基準協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)は四月二十三日、東京・飯田橋のホテルグランドパレスで春季定期総会を開き、同協会を第三者評価機関に移行させるための申請準備や、評価システムの調査研究等を行っていくことなどを柱とする平成十五年度の事業計画を決めた。
 評価システムの策定に関しては、評価実施のための評価委員及び会員校実務担当者の養成を重点とし、また会員短期大学が行う自己点検評価・相互評価活動の促進及び支援も進めていく。
 平成十五年度から大学等の設置基準が弾力化されたのに合わせ、各大学等は平成十六年度から文部科学大臣が認証した認証評価機関による第三者評価を受けることが義務づけられた。こうした中で同協会を認証評価機関にしていくもの。
 設立案については今後理事会でまとめ、日本私立短期大学協会へ諮ることが了承された。
 第三者評価機関設立の構想として理事会でまとめたものを、関根秀和委員長(大阪女学院短期大学学長)が報告した。
 基準協会の実施する第三者評価は、適格認定を基本とし、教育の特色について診断的評価を行う。
 評価項目は、(1)建学の精神等に基づく理念・目的・目標(2)教育の成果(3)教育内容(4)教育の実施体制(5)学生支援等(6)研究(7)社会的活動(地域活動・国際活動)(8)管理運営(9)財務管理(10)改革・改善J特記事項K将来計画の策定。
 評価方法としては、(1)評価基準は、設置基準を踏まえたものを基準協会として自ら設定(2)評価は定性的評価を旨とし、その基本を対話分析とする(3)評価は、会員校の自己点検評価報告書を基礎に、その他関連資料の分析と現地調査もしくはヒアリング等を併用、会員校間による相互評価実施報告書も活用する(4)評価の周期は七年(5)評価の透明性・公正を確保するため、評価の過程において、基準協会外の有識者等の意見を反映させる仕組みをとる(6)評価結果について被評価者は基準協会に対して異議申し立ての機会を保証(7)会員短期大学は積極的に評価結果を公表する(8)評価の最終結果は、適格・保留・不適格の「適格認証」とし、基準協会は社会に対し評価結果を公表する(9)基準協会が行う評価は、原則として、会員校に対して行う。
 関根氏は報告の中で、「今後はこれを基に理事会で案を作り進めていくが、評価方法については今後なお相当な検討が必要で、評価基準・評価姿勢を細かく精密にしていけばいくほど画一化してしまい、個性化が言われている中央教育審議会の方針に反してしまうため、委員として一番苦慮するところとなりまた、ほんとうに意味のある創造的な評価がどうすればできるかが今後の課題となる」と述べた。
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