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記事2003年6月13日 1892号 (4面) 
21世紀の私学教育テーマに西日本私小教員研修会
建学の精神発揮して特色を
教師が、受ける立場で授業
研修福祉会主催日私小連協力 

平野会長

  教員にとって研究・研修は自己研さんを積む絶好の場である。西日本私立小学校教員研修会では公開授業、児童の発表、講演、部会報告が行われ、教員は大きな研究成果を上げた。

 平成十五年度第四十五回西日本私立小学校教員研修会(私学研修福祉会主催、日本私立小学校連合会協力、西日本私立小学校連合会担当)が五月二十三日、京都市の京都女子大学附属小学校で、約八百人の教員が参加して開催された。「二十一世紀における私学教育の実践」をテーマに、公開授業、児童発表、講演、および部会が行われた。
 開会式で、平野吉三・日本私立小学校連合会長(啓明学園理事長)は公立の小中高一貫教育、株式会社の学校経営への参入、義務教育費国庫負担金の一般財源化の問題などの動きがあることを指摘、「私学には、公立にはない建学の精神がある。これが私学の強みです。この意識を常に掲げていく必要があります。そのためには、研修・研究に尽きます。研修会では力を十分発揮してほしい」とあいさつした。
 阪口治・西日本私立小学校連合会副会長(四條畷学園小学校長)は、私学でしかできないことに力を入れて、私学の存在を訴えるべきだとした上で、「成果をクラスの授業に持ち帰って役立ててほしい」と述べた。
 会場校の岡田純也校長(京都女子大学教授)は「研修会で発表された情報を分析し、先生方のお役に立てば幸いです」とあいさつした。
 続いて、校長の岡田氏が「宮沢賢治と金子みすゞ」と題して講演、その中で金子みすゞの作品は、大分県にある「こども童話館」で紹介していることを披露した。
 食事を挟んでの部会は、十五部会に分かれて行われた。このうち、国語部会(全体会)では「今、国語教師として考えること」と題して、山本隆三・元阪神小学校会長が基本的な国語指導のあり方、国語指導の指導力で大事なもの、そのほか国語指導でつけたい力などについて講演、山本氏は「@どんな力をつけるかA教師が受ける立場から授業をするB子供がどうしたら学習したことになるかC学ぶとは心の体験をすることD子供のやり方を生かすこと」などを考える必要があるとアドバイスした。また、指導力で大事なものは「内容を熟知していること、イメージが分かるように話すこと、伝える順序が的確であること、相手の理解しないことは使わないことなど」を挙げた。最後に「人が人を教育していくことの大切さを考えることが大事だ」とまとめた。
 開会式が始まる前に行われた公開授業は、図工、図書、算数、生活、国語などの十教科について一年から六年まで行われた。一年の図工では「わくわく すいぞくかん」、一年の図書では「なかよし動物園をつくろう」がテーマだった。
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