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記事2003年9月23日 1904号 (1面) 
私学団体が学校法人制度改革で意見
小規模法人に配慮を
都道府県ごとの基準必要 公立学校の財務情報公開も要望
専修学校国庫補助など一条校との格差解消が先決
  日本私立中学高等学校連合会など私学三団体は九月十二日までに文部科学省の大学設置・学校法人審議会学校法人分科会学校法人制度改善検討小委員会に意見書を提出した。同小委が八月七日にまとめた、学校法人制度の改善方策についての中間報告に対して私学としての要望を述べたもの。その中では、学校法人制度の改善に当たっては小規模法人に対する取り扱い上の配慮、また財務情報の公開では都道府県ごとに地域の実態に見合った基準設定や一定規模以下の法人に対する特例措置、公立学校についても同様の情報開示などを求めている(大学、短期大学関係団体の意見内容は近く報告)。

 八月七日の中間報告では、わが国の学校教育の中で重要な位置を占める私立学校が今後とも健全な発展を続け、公教育の担い手として社会の要請に十分こたえていくためには、私立学校法の精神を維持しつつ、学校法人の公共性を一層高めるとともに、自主的・自立的に管理運営を行う機能など、時代の変化に対応して必要な見直しを行っていくことが重要な課題としている。具体的には理事会を法令上位置づけるなど理事機能の強化、監事・評議員会機能の強化、財務情報公開の義務付け等を提言していた。
 こうした提言に対して日本私立中学高等学校連合会(堀越克明会長=堀越高校長)は中間報告に示された改善方策は、大学関係の実態を前提として構成されていることから、そのままでは高校以下法人に当てはまらない場合も少なくないとし、大学関係法人と高校以下法人とで実態に応じて別の取り扱いを実施するよう要望。また理事については、ただ「外部の理事」を登用するだけでは、法人の活性化につながらないばかりか、無用の混乱を招くことにもなりかねないとし、法人の規模・内容等を考慮した取り扱いの検討を求めている。さらに財務情報の公開については、全国一律の基準ではなく、都道府県ごとに地域の実態に見合った基準を設ける方が実効性を確保できると指摘。公立学校についても学校ごとの財務情報の公開とともに、設置者を含めた財務情報の公開が実施されなければならないとしている。
 日本私立小学校連合会(平野吉三会長=啓明学園理事長)も中高連と同様な意見を表明しており、大学法人と高校以下の法人とでは、その取り扱いを分けて考える必要があること、公立学校についても同様の情報を開示するよう求めている。
 全国専修学校各種学校総連合会(鎌谷秀男会長=修成建設専門学校理事長)は、専門学校等のみを設置する学校法人と一条校を設置する学校法人との間で、財政支援面等様々な格差が解消されないままガバナンスの強化に向けた義務のみが一条校と同様に課されるならば専修学校等を設置する学校法人からの賛同は得がたい、各方策実施の前提として両者間の取り扱いを全面的に同等に再整備する方針が最終報告に明記されるよう強く要望している。財務書類の公開では一定規模以下の学校法人に対する特例措置の検討を要請している。
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