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記事2004年2月13日 1924号 (1面) 
薬学教育六年制へ
第三者評価機関の認証基準などを議決
中央教育審大学分科会
 中央教育審議会大学分科会(会長=佐々木毅・東京大学長)は二月六日、都内で第三十二回の会合を行った。「薬学教育の改善・充実」についての答申を前に、最終的な意見調整などが行われた。薬剤師をめぐる状況の変化に対応するため、薬剤師の養成を目的とする薬学教育の修業年限を六年に延長とすることでは意見が一致する一方で、薬学研究を中心に行う四年制課程の今後の位置づけについては、意見交換が活発に行われた。答申案では、四年制学部を卒業した者が国家試験を受験する場合、実務実習を含む履修を追加で行うなど、一定条件の下に受験資格を付与する方向で検討すべき、となっている。
 この国家試験受験資格について、中教審と厚生労働省の見解に隔たりがあり、近く最終的な詰めが行われる。
 文部科学省から「厚労省は経過措置としての併存はあるものの、将来的には受験資格は六年制の修了を必須(ひっす)としたい意向」と示されると、「そうなった場合は、四年制からのコース変更の条件を早めに提示すれば、学生の不安も少ないのでは」という提案も出された。また「薬学教育を行っている大学の多くは、今後も学内併存を望んでいる」との発言を受けて、「学校ごとに四年制か六年制を選ぶならわかるが、ただでさえ教員不足なのに、併存は可能なのか」と教育現場の混乱を危(き)惧(ぐ)する発言もあった。十三日の中央教育審議会総会前には厚労省との詰めも終わり、それを受けて答申へと移る見込み。
 また、この日は第三者評価にかかわる「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」と「文部科学大臣が第三者評価機関を認証する際の基準に関する省令」が議決された。専門職大学院につき専攻分野の認証評価機関が存在しない場合、文部科学大臣が指定する外国の国際的に認められた評価機関の評価を受ける必要があるが、当該の評価機関も存在しない場合や、数が少なくて評価を受けられないなど特別な場合は、自己点検・評価の外部検証を実施し、結果を公表し、文部科学大臣に報告することで、第三者による評価に代替できることなどが正式に決まった。
 さらに、「高等教育の将来構想(グランドデザイン)に関する論点整理(案)」も示され、転換点に立つ高等教育の中期的・長期的な構想を、引き続き協議する予定。

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